まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

三浦しをん「愛なき世界」レビューと本選びのこと

愛なき世界

 

 

三浦しをん「愛なき世界」のあらすじ

 

シロイヌナズナ(植物)の研究に打ち込む大学院生、本村紗英。

そんな彼女に恋をした円服亭(洋食屋)の定員、藤丸陽太。

果たして藤丸の思いは本村に届くのか。

植物が恋のライバル…?

 

愛なき世界の主な登場人物

  • 本村紗英   大学院生
  • 藤丸陽太   円服亭の見習い
  • 松田賢三郎  紗英の研究室の教授
  • 川井     助教
  • 中岡     松田の秘書
  • 岩間     ポスドク
  • 加藤     大学院生
  • 円谷正一   円服亭店主

 

本の感想

 

彼女の作品の中では「舟を編む」が特に好きだが、

「愛なき世界」もとても良かった。

 

専門的な箇所では理解に苦しむ場面もあったが、

ぎすぎすした人間関係がなく、嫌な奴が出てこなかった。

ただもうそれだけで、ストレスなく穏やかな気持ちで読めた。

 

感情の表現の仕方がしばしばユニークで印象的だった。

ぐっふっふっ、とか。

しゅばばばば、とか。

漫画の吹きだしみたいだなあ、と。

 

研究者として生きていく覚悟、

実験の成功の喜びと興奮がびしびし響いた。

 

顕微鏡で細胞をみたり、

遺伝子を調べたり、研究に夢中になる姿が眩しい。

 

登場人物それぞれのキャラクターが個性的でとてもいい。

応援したくなる。

 

藤丸の勤務先が洋食屋なため、美味しそうな料理の描写も多々あり。

お腹がぐう、と鳴ってしまうようだった。

 

それにしても、ここまで専門的なことを調べ上げてストーリーを組み立て、

小説にしてしまう三浦しをんさん、すごい!

 

心があったかくなる素敵な本をありがとうと伝えたい。

 

こちらの本が2019年

本屋大賞にノミネートされたようですね。

 

その他

 

装丁で本を選ぶことはあまりないのですが、

これは書店で見かけたときにきれい!と見とれました。

しかも三浦しをんさんの新刊!

思わず手が伸びました。

 

本当にどうでもいい話だけど…

この本、生物の話だったので、高校時代の生物の授業を思い出したなー。

当時は理系のクラスに属していて、

(理数系が得意というわけではなく、社会が苦手だったからというお粗末すぎる理由)

選択で生物なんかとっちゃったものだから、鬼のように生物の授業があったんです。

その生物担当の先生のあだ名が「ネッター」だったなあ、と

くだらなすぎる、懐かしい思い出。笑。

 

確かはしごから落下して怪我をしたとかで、

治療中?傷が目立たないように?

しばらくネットをして授業をされていたんですよね。

それでいつしか、友達との間でネッターと呼ぶように。

もちろん本人の前では口に出しませんでしたが、ゴメンなさい先生。

 

授業中に居眠りしてしまう生徒が増えてくると(午後なんか特にね)

話が脱線するのです。

必死に注意を引こうとする先生の虚しい努力がおかしかったなあ。

今でも先生の顔や話し方は鮮明に覚えているのが自分でも驚き。

 

本選びのあれこれ

 

私の本選びは、情報収集から始めることが多いです。

書店の新刊コーナーをパトロールするか、雑誌「ダ・ヴィンチ」を参考にします。

ダ・ヴィンチで好きな作家のインタビューや特集が組まれていたりすると嬉しいですよね。

 

好きな作家は(敬称略でいきます)、宮部みゆき、小池真理子、角田光代、村山由佳、北村薫、有栖川有栖、綾辻行人、村上春樹、林真理子、乃南アサ、東野圭吾、前川裕など。

この方々の新刊が出ると、小躍りしてしまうほどわくわく。

 

エンタメ小説やエッセイが好きで、実は純文学は少し苦手…。

 

ミステリーを読む場合は、事件がおこり、登場人物がほぼ出てきたあたりで犯人を知ってから(ネタばれ)、読み進めていくことが多いです。

 

トリックが知りたいわけではなく、犯人を知っておきたいのです。

それってへん!と言われますが、実はこういう読み方をする人が身近におりまして…。

私の母です。笑。

「ドキドキハラハラしたくない」とのこと。

あ~、私もそうだわ!と納得。

ちょっとした罪悪感を感じつつ、終わりの方のページをめくってしまうのです。

再読すればいいのでしょうが、時間も限られていますしなかなか難しいです。

 

今のところ、こんな感じで本を楽しんでいます。

新たに好きな作家に出会ったりした場合は加筆していきたいと思います。