まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

桐野夏生「路上のX」レビュー

久々に桐野夏生さんの本を読みました。

備忘録としてまとめておきますので、気になる方は参考までに。

 

 

桐野夏生、路上のXの主な登場人物

 

伊藤真由 主人公。16才の高校生。

英子   真由の母。若く美しい。

靖    真由の叔父。工場勤務。

幸恵   靖の妻。介護のパート。

リオナ  17才、渋谷をさまよう少女。

ミト   リオナの幼なじみ

秀斗   21才、東大生

木村   真由のバイト先(ラーメン屋)店主

米田   プロダクションのスカウト

桂    渋谷署の女性警察官

 

路上のX

 

路上のXのあらすじ

 

「路上のX」の主人公は伊藤真由、16才。

埼玉県で、弟と飲食店を営む両親とそれなりに裕福に暮らしていた。

しかし、高校入学の直前に両親から突然、

借金の返済のためにここから逃げる、と告げられる。

叔父である靖の家へ預けられるが、

靖の家計は苦しく、妻の幸恵、子供達からも邪魔者のように扱われる。

真由は高校へも行かなくなり、渋谷をうろつくようになる。

 

そんな中、JK(女子高生)ビジネスをしているリオナと出会う。

彼女は、母からはネグレクト(養育放棄)、義父からは性的暴行を受けていた。

幼馴染のミトもまたネグレクト家庭で、さらに元カレとの子を妊娠。

 

貧困、レイプ、望まぬ妊娠に立ち向かう少女たち。

虐待やネグレクトから逃げ出した彼女たちが助けを求める先は…。

 

感想

 

著者である桐野夏生のインタビュー記事を読んだことがきっかけになり、手に取った一冊。

「主人公が16才で舞台は渋谷」かあ。

と、なかなか読み始めることができなかった、いわゆる積読(つんどく)本。

しかし、「路上のX」を読み始めたら

どうなってしまうの?と気になり、どんどんページをめくってしまう。

怖いもの見たさ、と言っていいのかな…。

 

苦労知らずで育ってきた主人公の真由が、

バイト先で騙されてレイプされてしまう。

居場所のない真由はリオナと出会い、その日暮らしの生活をしていく。

 

読書は私にとって現実逃避の意味合いもあるのですが、

これは現実を突きつけられた感じがしました。

ドキュメンタリーを読んでいるような感覚になる箇所もあったり。

衝撃的な内容が多かったのですが、

こういう現実もあるんだと考えさせられましたね。

それにしても、悪意に満ちた大人たちが、

次から次へと少女たちに群がる様はやりきれなかったな~。

読んでいて目を背けたくなった! 

 

10代の頃に感じていたような、やり場のない苛立ちの描写や

リオナが感じる「育ち方が違う」真由への憎しみがリアルでした。

 

最後に明かされる、母の英子が真由の前から姿を消した理由には

びっくりしたというか唖然としたというか。

 

私よく夢を見る方なのですが、

うっかり寝る前に読んでしまいまして悪夢をみました。

夜は楽しい本を読もう。