国産小麦・春よ恋100%とスペルト小麦
私はよく、国産小麦を使ってパンを焼きます。
国産小麦とひとくちに言っても様々な種類がありますが、今日はその中のひとつである春よ恋100%という北海道産の強力粉についてのブログ記事です。
パンを焼くのが楽しくて仕方なかった頃に比べると、だいぶ焼く頻度は減りましたが、やっぱり楽しいパン作り!
以前「スペルト小麦でこねないパンを焼く」、という方法を紹介しましたが、今も変わらず、スペルト小麦のパンを焼く日々です。
せっかくですので、今手元にある国産小麦・春よ恋100%とスペルト小麦、この二つの強力粉を簡単に比較・検証してみたいと思います。
春よ恋とスペルト小麦の比較~成分・生産地・特徴・価格~
両者を比較するため、以下の項目を記してみます。
春よ恋100%の成分・生産地・特徴・価格について
春よ恋100%の成分(100gあたり)
- カロリー 367kcal
- たんぱく質 10.8g
- 脂質 2.0g
- 炭水化物 72.4g
- ナトリウム 2.0mg
※収穫した年や製粉会社によって多少の誤差はあるかと思います。今回のデータは、今年(2019年)の春に購入した江別製粉の商品のパッケージラベルのデータになります。
こちらは春よ恋100%の封を切って上からのぞいたところ。
ちょっとマニアックな画像ですね。
生産地は北海道です。
春に種をまき、秋に収穫するスタイルの「春まき小麦」であり、はるゆたかを改良して作られた小麦。
現在は北海道でのみ生産されているそうですが、これは気候の問題で、他の土地での栽培は難しいのだとか。
こうして情報をまとめてみると、なんだかありがたみが増します。
春よ恋の特徴は、やはりもちもち食感のパンが焼けるということだと思います。
もちもち感を出すため、ラーメンの麺に使用(!)されたりすることもあるのだとか。
価格帯に関しては、国産小麦の中でいうと、それほど高いという印象はありません。
他の国産小麦と比べてもキロ単位でいうと数十円の違いです。
(スーパーで売っている外国産の強力粉に比べれば高いです。)
ただ、オーガニック・春よ恋100%品に関しては少々お高め。
これは手間暇かかってますから仕方ないですよね。
「春よ恋ブレンド」より「春よ恋100%」の方が高いのは、なんとなくわかりますね。
混じり気なしの小麦といったところでしょうか!?
「春よ恋ブレンド」は、春よ恋に他の品種の国産小麦をブレンドし、安定した品質のパンが焼けるように調整された商品のようです。
収穫する年によっては、不作だったりすることもあるでしょうから、そんなときには助かりますよね。
私は「ブレンド」or「100%」かは特にこだわりはないのですが、今回は比較するのに100%の方が分かりやすいかな?と思い少し奮発しました(←数十円・笑)。
スペルト小麦の成分・生産地・特徴・価格について
スペルト小麦の成分(100gあたり)
- カロリー363kcal
- たんぱく質 12.9g
- 脂質1.3g
- 炭水化物72.2g
- ナトリウム 1.8mg
生産地でいうと、オーストラリア、アメリカ、ドイツ、イタリアなどのものを見かけたことがあります。
国内でも北海道や滋賀県で栽培されているようです。
オーストラリア、アメリカ、ドイツ産のスペルト小麦を購入することが多いのですが、国産のスペルト小麦も、機会があれば入手して試してみようと思います。
特徴は、以前の記事を参考にしてもらえればと思いますが、簡単にいうと、小麦の原種にあたる品種で、生地がダレやすく、軽くこねるのポイント、といったところでしょうか。
準強力粉のカテゴリーに入るようですので、どちらかというとハード系向きの小麦粉になるかと思います。
オーガニックだということを差し引いても、スペルト小麦の価格はややお高めです。
珍しい品種ですし、と割り切って購入することにしています。
スペルト小麦は、脱穀の作業も大変なようです。
両者の比較
両者とも大きいくくりで言うと「小麦粉」なので、カロリーに大きな違いはみられません。
ただ、パンにした時の焼き上がりが全く違います。
春よ恋で焼いたパンは、もっちりもちもち。
膨らみもいいですし、これぞ国産小麦のパン、という万人に好かれる申し分のない焼き上がりだと感じました。
スペルト小麦で焼いたパンは、もちもち感はありませんが、ナッツのような独特の風味がくせになります。
野性的な?奥深い味がします。
また、スペルト小麦はグルテンに過敏な方からも注目されている小麦粉なのだとか。
グルテンフリーではないものの、グルテンの値が低いため、スペルト小麦で焼いたパンに限っては食べても平気、という方もいらっしゃるそうです。
小麦アレルギーではなくとも、グルテンフリーを心掛けている方には注目の品種なのではないかなと思いました。
こねないパンで焼き比べ
飽きずに焼いている「こねないパン」で焼き比べてみました。
春よ恋100%で焼いたパンのレシピを簡単に。
材料
- 春よ恋100% 250g
- 水 250g
- 白神こだま酵母 2g
- 塩 3g
ゴムベラで混ぜて発酵→再び混ぜて発酵させます。
全粒粉を30%ほどブレンドしたときの写真です。
通常なら全粒粉は10~20%ほどにするところですが、30%ほどの全粒粉でも問題なく発酵しました。
二次発酵も問題なく発酵が進みます。
美味しいオリーブオイルをまわしかけて、指でランダムに生地を押し込み、オーブンで焼きます。
ふっくらといい色に焼きあがりました。
冷凍用にカットしたときも、包丁を通してふわふわ感が伝わるほど!
スペルト小麦で焼いたパンに関しては、先ほど検証した通りでして、ナッツのような独特の風味の滋味深いパンになります。
焼き方の詳しいレシピなど、詳しくはこちらの過去記事を参照してもらえればと思います。
まとめ
国産小麦の春よ恋は、比較的扱いやすいパン用の強力粉で、もちもち感を楽しみたいパンに向いているように感じました。膨らみも良好です。
一方のスペルト小麦は、原種に当たる品種であり、単純に比較するのは難しいかもしれませんが、パンの膨らみはそれほど期待できないものの、野性味あふれるパンが楽しめます。
国産小麦・春よ恋100%とスペルト小麦は、どちらも「パン用の小麦粉」という認識でしたが、調べてみると、春よ恋はもちもち感を活かしてラーメンの麺に使われることもあるようですし、スペルト小麦は焼き菓子に使われることもあるようです。
このようなことから、今後は常識にとらわれない使い方を考えていくのも面白そうだなと思いました。