ライ麦粉の特徴
ライ麦粉は、ライ麦パンの原料になる穀物である「ライ麦」(英語ではrye)を製粉したものです。
今日の記事では、この「ライ麦粉」の特徴や全粒粉との違い、栄養価などについてまとめてみようと思います。
ライ麦全粒粉の現物の画像がこちらになります。
開封したライ麦粉を上から見た図です。
ライ麦パンと言うと、弾力がなく、目の詰まった、かたいパンを想像される方も多いと思います。
これは、ライ麦粉の特徴として挙げられる、グルテンを形成しないということと関係してきます。
グルテンが形成されないために、ライ麦を配合したパンは膨らみにくく、ずっしりとした焼き上がりになります。
またライ麦は、食物繊維が小麦よりも多いという特徴もあります。
食物繊維は腸の調子を整えてくれますから、これは嬉しいですね。
ライ麦は、粗さによって呼び名があるのをご存知ですか?
細挽き→アーレファイン、中挽き→アーレミッテル、粗挽き→アーレグローブと呼ばれます。ドイツ語です。
その他のライ麦の特徴として、グルテンアレルギーが出にくいとも言われています。
(グルテンフリーではないので、全く出ないわけではありません。)
ライ麦粉のパン生地は、小麦粉のパン生地よりも発酵が早いという特徴も、覚えておくとパン作りに役立ちます。
パン生地自体が膨らみにくく発酵の見極めが難しいため、過発酵になりがちなので気を付けたい点です。
これは私も、常々感じていました。
ライ麦の配合が高くなるほど、発酵を切り上げるタイミングが難しいのです。
吸水性が高いという特性があるため、ライ麦粉を多く配合した場合のパンの焼き上がりはしっとりしていて、粘り気が感じられる食感になります。
ライ麦粉を含む粉類は、品質も大事だと思いますが、実は鮮度も大事です。
ライ麦粉の色の表現としては、茶色と言うより灰色に近い印象を受けます。
買い置きはせず必要なときに購入し、なるべく早く使い切るように心掛けていて、春から秋にかけては気温も湿度も高めなので、封を切った小麦粉類は冷蔵庫の野菜室に保存しています。
ライ麦粉と全粒粉の違いは?
ライ麦粉と全粒粉の違いについては、小麦の構成から説明すると分かりやすいと思います。
小麦の粒は、ふすまと呼ばれる外皮、胚芽、胚乳から成っています。
普段よく目にする薄力粉や強力粉といった真っ白い小麦粉というのは、外皮(ふすま)と胚芽の部分を除いた胚乳の部分を製粉したものです。
全粒粉は、ふすまと呼ばれる外皮、胚芽の部分を取り除かず(胚乳の部分も含めて)、まるごと製粉したものです。
外皮(ふすま)にはミネラル・食物繊維が含まれていて、胚芽はこれに加えてビタミンB群までも含まれています。
こちらは、北海道産のキタノカオリという品種の全粒粉(500g)です。
パンや焼き菓子に配合すると味わい深い香ばしさが出るという特徴もあるため、人気があります。
全粒粉を使ったパンの紹介はこちらの記事を参照してください。
全粒粉には、栄養価が高い外皮や脂質の多い胚芽の部分が含まれていますので、酸化するのが早いんです。
ですから、500g~1kgほどの小袋での購入がおすすめです。
一方ライ麦粉というのは、小麦とは違う種類の穀物である「ライ麦」(別名・黒麦)を粉にしたものになります。
ライ麦全粒粉というのは、ライ麦を丸ごと製粉したものになりますので、通常のライ麦粉よりも栄養価が高くなります。
丸ごと粉にして食べるため、有機栽培されたものの方が安心かなと思い、リピート購入しています。
ライ麦の栄養価・成分・配合(割合)について
ライ麦の栄養価については先述しましたが、小麦よりも食物繊維、ビタミンB群が豊富に含まれています。
その他にもカリウムの成分が含まれているため、むくみ防止にも役立ってくれそうです。
ライ麦粉でも十分に栄養価は高いのですが、せっかくならば外皮や胚芽の部分の栄養も摂取できる、こちらの「有機ライ麦粉」がおすすめです。
次に、ライ麦の成分を見ていきます。
100gあたりのライ麦の成分は以下の通りです。
- カロリー319kcal
- たんぱく質 12.8g
- 脂質2.3g
- 炭水化物54.9g
- ナトリウム 4.0mg
このデータは、2019年に購入したオーストラリア産 有機ライ麦粉ダークタイプ(細引き・全粒粉)のものです。
最後は、ライ麦粉を使ってライ麦パンにする場合の配合(割合)について触れたいと思います。
ライ麦は体に良いんだから、100%で焼けばいいのでは?と思われるかもしれません。
しかし、個性的な特性を持ち、クセのある味わいのライ麦ですから、素人が美味しく焼くのは難易度が高すぎるのではないか、というのが個人的な見解です。
こちらの記事では、ライ麦全粒粉を15%配合した丸パンのレシピを紹介しています。
ふんわりとした軽い食感に焼きあがりました。
徐々にライ麦の割合を増やして焼いていき、自分や家族のベストな配合を見つけていきたいと思います。
最後に
ライ麦は、小麦が育たないような寒冷な気候でも育ち、乾燥にも強い穀物です。
やせた土地でも成長できる作物と聞くと、それだけでパワーがありそうに思えてきます。
もともとは小麦畑の雑草だったライ麦が、ここまで重宝されるというのも面白い現象ですよね。
ライ麦を多く配合したパンは、歯ごたえのあるかためのしっかりとしたパンですので、よく噛んで食べることになります。
食べ過ぎの防止になりますし、腹持ちもいいです。
健康を意識する人々からの支持されているのも頷けますよね。