まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

宮部みゆき全一冊(新潮社)の感想

新潮社より発売のCD付「宮部みゆき全一冊」背表紙

宮部みゆき全一冊について

宮部みゆき全一冊」は、2018年の秋に新潮社から発売された本で、ご本人が朗読されたCD付です。

 

宮部みゆきさんの朗読CD

 

こちらがそのCD「負の方程式」です。

鮮やかな赤が眩しいですね。

 

作家生活30周年を振り返るロングインタビューからはじまり、単行本には収録されていない小説3本とエッセイ15本などが掲載。

 

他にも、宮部みゆきさんの全作品のリストや年表、 対談(鼎談)、週刊誌連載時の挿画、文庫作品のカバーの装画なども。

 

新潮社写真部による著者の「お蔵出しベストショット」が所々にあり、宮部さんの優しい笑顔が見られます。

 

今日は「宮部みゆき全一冊」についての記事です。

 

宮部みゆき全一冊の感想

宮部みゆき全一冊」には、単行本に収録されていない小説が載っているということなので、そちらから読もうか?とも考えたのですが、まずはやはり巻頭のロングインタビューから読みましょう、と。

 

インタビューは作家生活30年(すごい!)をたどるべく、11の長編作品を取り上げてその背景をご本人が語るという流れでした。

 

取り上げた作品は全て読んでいるはずなのに、10年以上前に1度か2度読んだきりだったりするので、記憶がぼんやりしてるんですよね・笑。

 

私は再読することがあまりない上、本は実家に置いてあるんです。

帰省した折にこちらに持ってこようか、思い切って再び買ってしまおうか…いずれにしても、これは再読せねばと思いました。

 

インタビューでは、作家になる前にしていた仕事(速記者になった経緯など)のこと、映画や海外のミステリーから影響を受けたこと、小説教室に通っていたときのことも話しておられました。

 

宮部みゆき著「全一冊」

 

単行本に収録されていない小説というのは、世に出ていない作品というわけではなく、小説新潮に掲載された作品(2本)と、朝日新聞に掲載された作品(1本)です。

 

とはいえ初出は平成5年、8年、14年の作品ですから未読(のはず)、でしょうね。

 

1本目の「殺しのあった家」はホラーで、2本目「泣き虫のドラゴン」はファンタジーかな…?

3本目「あなた」は寓話的なお話。これは元旦の朝刊に掲載といいますから、納得の内容でした。

 

3作どれも面白いので、ここから読み始めてもいいと思います。短編なのですぐ読み切れますし。

 

エッセイは「ライフスタイル編」と「書評編」に分かれていて、あまりエッセイのイメージがない宮部さんですが、こんな一面もあるのね、と楽しく読みました。

 

対談(鼎談もあり)は、津村記久子さんの章が特に良かったです。お名前しか知らなかったのですが、面白い方だな~と。

芥川賞系の作品はあまり読まずにきたという宮部さんに「ファン!スター!」と言わせた津村さんの作品、ぜひ読んでみたいです。

 

読んできた本や観てきた映画に共通の部分が多いのも、お互いの作品に惹かれあう起因になっているのかな、なんて思いました。

読書の好みが似ている人に対しては、親近感がわきますよね。

 

CDについて。

小説を朗読したCDというのは、実はあまり得意ではないんです。

 

耳から小説が入ってくるのってどんな感じなのだろう?と過去に何度かチャレンジしてみたことがあったのですが、全然頭に入ってこないんですね・笑。(集中力が足りない?)

 

小説は活字で読むのが一番、というのが私の出した結論なのです。

しかしこのCDに関しては、宮部さんご本人が朗読なさっているのです!

 

必死で何度も聴き直している最中であります。

 

爆笑問題のラジオに宮部さんがゲストで出演した回の音源データが消えてしまったので、再び声が聴けて嬉しい限りです。

 

最後に

文字が小さくて読みにくい、という話も聞いていたのですが、個人的にはそれほど気になりませんでした。

 

エピソード満載の、おすすめの一冊です。

彼女の作品を再読するきっかけになりそうな本でもありますね。

 

宮部みゆき全一冊の表紙

 

この表紙の似顔絵、宮部さんに似てますよね。

 

初めて彼女の作品を読んだのは、学生時代だったと思います。

 

ある先生が宮部みゆきの「理由」を読んでみるといいよ、今講義でやっていることが関係しているよ、というような事を言っていたのが耳に残り、彼女の作品を読みはじめました。

あの講義に出ていなければ、宮部さんの作品に出会うのはもっと遅かったでしょう。

 

決して真面目な学生ではありませんでしたが、あの教授には感謝しています。

 

30年もの間、心に響く作品を書き続けてきた彼女の凄さを改めて感じました。

これからもファンでいさせて下さいね。