まつりパンライフ

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柚木麻子「マジカルグランマ」のあらすじと感想

柚木麻子「マジカルグランマ」表紙

柚木麻子「マジカルグランマ」の主な登場人物

柚木麻子さんの「マジカルグランマ」は、2019年4月に朝日新聞出版より発売された長編小説です。

全334ページ。

 

「週刊朝日」の連載に加筆・修正したもの。

※2018年5月号~2019年2月号の連載。

 

マジカルグランマは第161回・直木賞候補になりました。

 

柚木さんの作品はほとんど読んでいまして、どれも面白い。

本作品からも元気がもらえるといいな、という勝手な期待をしつつ手に取りました。

 

登場人物の紹介の後に、あらすじと感想を簡単にまとめてみようと思います。

 

主な登場人物は以下の通りです。

 

  • 浜田正子 主人公。70代半ばの元女優。
  • 浜田壮太郎 正子の2歳年上の夫。映画監督。
  • 浜田孝宏 正子と壮太郎のひとり息子。40代後半。

 

  • 北条紀子 80代の女優。正子の先輩。
  • 田村杏奈 壮太郎の友達と名乗り、正子と生活を共にするようになる若い娘。
  • 渡辺陽子 正子の親友。映画館のひとり娘。

 

  • 間島明美 浜田家の近所に住む主婦。スーパーのパート。
  • 間島真美 明美の娘。2歳。
  • 野口 浜田家の近所のごみ屋敷に住む男性。妻を亡くして一人暮らし。

 

登場人物はそれほど多くありませんので、ミステリー小説を読むときのようにメモを取らなくても大丈夫でした◎

 

柚木麻子著「マジカルグランマ」の背表紙

 

装画がかわいい。

 

柚木麻子「マジカルグランマ」のあらすじ

主人公の正子は、かつて「尾上まり」として女優をしていた過去があるが、結婚を機に引退。

 

主婦業に専念していた正子だが、再びオーディションを受けて第二の女優人生を歩む決意をする。

 

映画監督の夫・壮太郎とは家庭内別居の状態が続いていたが、心臓発作で突然死。

壮太郎の死後、彼を崇拝し自身も監督になりたいのだという若い娘・杏奈が突然やってきて、いつの間にか浜田家に居つく。

 

夫の死に対しての正子の発言が周囲を敵に回してしまい、女優の仕事もキャンセル。

さらに、夫には2000万円の借金があった-。

 

正子はどう切り抜ける?

 

というあらすじです。

 

柚木麻子「マジカルグランマ」の感想

マジカルグランマ、良かったです。

直木賞候補になったというのも納得です。

 

ただ、私の心が狭いせいでしょうか?

正子の身勝手すぎる発言に、始終いらいらさせられます。

 

元気が良すぎるというか、図々しいというか。

同じ感想を持った方がいたら嬉しいのですが、こんなおばあちゃん嫌だ!笑。

 

もちろん前半から面白いのですが、後半からが特に面白くなってくるなという印象を受けました。

 

状況が変化する中での、正子のサバイバル術には勇気をもらえました。

彼女はやり過ぎですが。

 

柚木麻子著「マジカルグランマ」見開きページ

 

ときおり正子の心の中に登場する親友・陽子ちゃん。

ラストでそうきましたか!と。

 

柚木さんの作品は展開が読めなくて、でも痛快で、というところが好きなんですよね。

彼女のアイデアは、どこから来るのだろう?

 

柚木さんの小説って、美味しそうな料理の具体的な描写が多いように思います。

料理が好きな方なのかな?

本作品にも、おなかがなってしまいそうな箇所がたくさん。

 

それから、正子が金銭的に余裕がない暮らしをしているため、節約料理がちょこちょこ出てきて参考になりました。

実際にやるかやらないかは別として(笑)、へぇ~こうすると安く仕上げられるのね、とか。

 

個人的には、浜田邸の広大な敷地でとれる季節の食材を使った、保存食づくりや園芸を楽しむ場面がツボでした。(正子ではなく明美さんが実践。)

 

梅の加工は梅干しの他にもバリエーションが色々あるんだなあ、とか。

 

よもぎを摘んでお団子にしたり、栗を拾っておこわや甘露煮にしたり、果実をジャムに加工したりと、昔実家で同じようなことをしていたので懐かしく感じました。

 

マジカルグランマ・裏表紙のイラスト

 

映画を観る(←途中で寝てしまう)習慣がないので、正子と杏奈の「風と共に去りぬ」の考察の場面での置いてけぼり感がすごかったです。

 

あの映画って、人種差別の問題等が描かれていたりするのでしょうか…?

 

まとめ

柚木麻子さんのマジカルグランマ は、読みやすくて元気をもらえる一冊でした。

 

感想のところで、正子の言動にいらいらさせられると書きましたが、自分も気を付けようと思いました。

先日身近なところで「高齢者になって我が強くなった」という話を耳にしたのでちょっとドキッとしました。

 

作中に登場したディズニーランドのアトラクション「ホーンテッドマンション」。

読んでいたら、私もお化けに会いたくなりました。

今月ディズニーランドに行く予定なので、お化け見てこようかな。