まつりパンライフ

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赤川次郎「いもうと」のあらすじと感想◎「ふたり」の続編

赤川次郎著「いもうと」の背表紙

 

赤川次郎「いもうと」についてと登場人物

赤川次郎著「いもうと」は、2019年10月に新潮社から発売された小説。

 

初出は「小説新潮」。

掲載は2018年4月号~2019年7月号。

 

全267ページ。

 

1989年に刊行された「ふたり」の続編です。

 

随分前になりますが、「ふたり」を読みました。

確か実家にあったはず、と本を送ってもらったので、あらすじを簡単に。

 

中学生の主人公・実加には高校生の姉がいたが、交通事故で亡くなる。

当時、姉は17歳だった。

 

実加の頭の中に、死んだ姉の声が聞こえてくる(会話できる)という現象がーという話です。

 

映画化やドラマ化もされたそうですね。

 

「いもうと」を読むにあたり、何十年ぶりかで読んでみましたが、私自身の視点が随分と変わっていることに年月の流れを感じました。

 

当時は主人公の実加の目線だったのになあ、と。

 

ともあれ、「ふたり」から11年後を描く続編が出た、との情報を得たので手に取りました。

 

小説「ふたり」の続編「いもうと」の裏表紙

 

まずは、主な登場人物の紹介です。

 

北尾実加 主人公。27歳の会社員。

北尾千津子 実加の姉。17歳で事故死。

北尾雄一 実加の父。

北尾治子 実加の母。心を病む。

 

内田祐子 雄一の部下で、不倫関係にある。

 

長谷部真子 実加の親友。

安田しのぶ 実加の同僚。

川辺さつき 実加の高校の後輩。

 

納屋清美 Sパレスの従業員。

木俣靖夫 ホテルRの従業員。

加東和寿 実加の会社の社長。55歳。

 

赤川次郎「いもうと」見開きページ

 

赤川次郎「いもうと」のあらすじ

実加の父・雄一は単身赴任中、部下の内田祐子と関係を持つ。

祐子は女の子を産むが、それを知った妻の治子は死を選んでしまう。 

 

実加はそんな父を許せずにいた。

頼らずに生きていくため、大学に進まず就職の道を選ぶ。

 

実加の職場に、祐子から雄一が入院しているからあってほしい、と電話がかかってきた。 

 

一方、職場では重要な任務を任された実加。

どう振る舞い、どう切り抜けるのか。

 

しっかり者だった姉の千津子の年齢をこえた実加。

母親は亡くなったが、異母姉妹である「いもうと」の存在に実加はどうするー。

 

「いもうと」の感想~「ふたり」の続編~

赤川次郎作品は、読みだしたらとまらない!という感想を持たれる方も多いと思います。

確かに、本作「いもうと」もあっという間に読み終えました。

 

会話のテンポが良く、主人公には次から次へと困難がやってくるのですが、いつも誰かが手を差し伸べてくれるー。

 

ひたむきな向きあい方には、応援したい気持ちがわいてくるものです。

もうラストなの?と展開も早いので、せっかちな私でもやきもきせず読了。

 

しっかしまあ、悪い男ばかり出てきます・笑。

会話のテンポは軽いけれど、不倫ばかりなのがちょっと悲しいというのが正直な感想。

 

赤川次郎「いもうと」の表紙イラスト画像

 

作中には実加の「日常生活」が垣間見られる場面が多く登場するため、感情移入しながら読み進めてしまいます。

 

赤川次郎さんは、どうして若い女性同士の会話を想いつくのかな?と不思議です。

でも、女性同士の会話って面白いですよね。

 

あまり大声では言えませんが…

飲食店や電車内での会話って、ついつい聞いてしまう、というか耳に入ってきますよね。

よろしくないのですが、へぇ~そうなの!?なんて一人で反芻してしまうこともしばしば。

 

「いもうと」の前作「ふたり」は、赤川次郎の代表作ともいえる作品。

 

久々に「ふたり」をパラパラと読み返してみましたら、本作で登場する内田祐子や長谷部真子といった人物が出ていました。

(きれいさっぱり、忘れていました!) 

 

いもうと [ 赤川 次郎 ]

 

最後に

去年、赤川次郎さんがTBSラジオに出演されていました。

そういえば昔よく読んだな、と妙に懐かしくなったものです。

 

そのときに読んで感想等をまとめたのが以下の記事です。

 

www.matsuripan.com

 

せっかくだから「いもうと」も読んでみようと思い、手に取りました。

前作を読んでいなくても、十分に楽しめる内容だと感じました。

 

父親の再婚や、 後輩や知人のトラブルに巻き込まれながらも生きる実加は、いつだって前向き。千津子も安心していることと思います。