まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

東野圭吾「希望の糸」のあらすじ・感想

東野圭吾著「希望の糸」の背表紙画像

 

東野圭吾「希望の糸」の登場人物

東野圭吾著「希望の糸」は2019年7月に講談社から発売された、長編のミステリー。

 

全345ページの、書き下ろし作品です。

 

さすが東野さん。

今回も、話の続きが気になって気になって…一気読みでした。

 

自宅で過ごす時間、どうされていますか?

読書をするのもおすすめです。

 

さて、備忘録として今回もあらすじと感想をまとめます。

ネタバレなしの方向でいきたいと思います。

 

まずは、主な登場人物の紹介を簡単に紹介します。

 

松宮脩平 警視庁捜査一課の刑事。

松宮克子 脩平の母。千葉県で暮らす。

加賀恭一郎 捜査一課の刑事。脩平の従兄。

 

芳原亜矢子 金沢の老舗旅館「たつ芳」の女将。

芳原真次 亜矢子の父。77歳。末期がん。

 

花塚弥生 殺人事件の被害者。カフェの経営者。51歳。

綿貫哲彦 弥生の元夫。

中屋多由子 綿貫の同棲相手。介護士。

 

汐見行信 子を失った過去がある。現在は娘と二人暮らし。62歳。

汐見萌奈 行信の娘。14歳。

 

東野圭吾「希望の糸」表紙

 

東野圭吾「希望の糸」のあらすじ

カフェ「弥生茶屋」の経営者である花塚弥生が、何者かに殺害された。

周囲への聞き込みで、弥生を悪く言う者はいなかった。

 

なぜ殺されてしまったのかー。

カフェによく訪れていたという、汐見行信との関係はー。

 

松宮脩平が動き出す。

 

一方、彼の元へは「ある人物について相談がある」、と旅館の女将を名乗る女性から連絡が入るーといったあらすじです。

 

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東野圭吾「希望の糸」の感想

希望の糸は、ざっくりいうと「家族の話」です。

ミステリーではあるのですが、犯人の動機もそれ(家族)にまつわるものでした。

 

語り手である松宮脩平は、加賀恭一郎のシリーズ作品にたびたび登場する人物です。

今回は彼の推理と「刑事の勘」というやつが冴えていました。

 

かつては母親の克子と暮らしていて「父親は亡くなった」と聞かされていた脩平ですが、本作品で事実が明らかになります。

 

克子が「いいたくない」としてきたのには、訳があったのです。

 

ミステリー小説「希望の糸」見返しのデザイン

(見返し部分のデザインは、タイトルにそった赤色の糸。スピンも赤でした。)

 

震災で子供たちを失う、というプロローグから話がはじまります。

悲しみにくれる両親が考えた、自分たちが立ち直る方法は…子供を育てること。

無事、萌奈という女の子が誕生します。

 

この序章が、物語とどう関係してくるのか?

やきもきする間もなく(←一気読みしたため)、この一家が出てきます。

 

萌奈は14歳という多感な年頃です。

自分は自分であり、亡くなった姉や兄の代わり、というのは息苦しさを感じることと思います。

 

しかしながら被害者とは、まさか!の接点

 

現実にはあってはならない事がおこってしまったわけなのですが、「もしも」、として考えたとき、非常に悩む事象です。

果たして道徳的にはどうなのだろう?と。

 

東野圭吾著ミステリー作品「希望の糸」の裏表紙

 

被害者がジムに通い、エステに入会した理由は、予想もつかないものでした。

 

散りばめられた謎が一気に解けてゆくのも醍醐味のひとつです。

感想をまとめるために読み返してみると、そういうことだったのか!と思わず膝を打ちたくなりました。

 

皆がだれも、複雑な思いを抱えた登場人物でした。

犯人の心情は、今の私にはどうしても理解できません。

 

最後に

加賀恭一郎シリーズのドラマや映画が好きで、放送されると必ずといっていいほど観ています。

ですので、加賀恭一郎が作中に登場すると阿部寛さんの顔が頭に浮かぶようになりました。

 

本作の主人公・松宮脩平は溝端淳平さんですね。

 

松宮の粘り強さが功を奏しました。

根気よく捜査を続ける、立派な刑事です。

 

思いがけず、彼の生い立ちを知ることが出来たのも良かったです。

自分のルーツを知りたい、という思いが生じるのはごく自然なことですよね。