まつりパンライフ

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東野圭吾「夜明けの街で」のあらすじと感想

東野圭吾「夜明けの街で」の文庫版表紙

 

東野圭吾「夜明けの街で」の登場人物

東野圭吾著「夜明けの街で」は、2010年7月に角川文庫から発売されたミステリー小説。

単行本は、2007年6月に刊行。

全391ページ。

 

この本、表紙が横浜の風景なんです。

それに惹かれて手に取った次第です。

コロナ禍でしばらく行けていない横浜。

せめて小説の中だけでも、行ったような気分になれればいいな、と。

 

では、主な登場人物の紹介です。

 

渡部 主人公。建設会社の主任。

仲西秋葉 渡部の会社の派遣社員。31歳。

 

渡部有美子 渡部の妻。

渡部園美 渡部の娘。幼稚園児。

新谷 渡部の友人。

 

浜崎妙子 秋葉の叔母。

仲西達彦 秋葉の父。

仲西綾子 秋葉の母。

本条麗子 達彦の秘書。

釘宮真紀子 麗子の妹。デザイナー。

芦原 神奈川県警の刑事。

 

東野圭吾「夜明けの街で」のあらすじ

「不倫する奴なんて馬鹿」、と思っていた主人公の渡部。

しかし、派遣社員としてやってきた仲西秋葉と付き合うようになる。

 

大学時代の友人にアリバイ工作を頼み、妻の目を気にしながらも秋葉にのめり込んでいく渡部。

だが秋葉は、父親の愛人である女性が殺された事件の容疑者かもしれないという。

 

彼女が重要な日だと言っていた、3月31日。

「その日が過ぎればいろいろとお話しできる」とはどういうことなのか―。

 

東野圭吾「夜明けの街で」の感想

前半は、主人公が秋葉との不倫にはまっていくサマが描かれています。

30代後半の妻子ある男性とは思えないほど、浮かれているんです。

こちらが恥ずかしくなります。

 

学生時代の仲間・新谷の忠告も聞かず、暴走。

渡部は楽しげに逢瀬を重ねるわけなのですが、私はイヤーな気分になりました。都合が良すぎるなと感じてしまうのは、読み手の立場によるものかもしれませんが。

 

当人は「大丈夫大丈夫、バレていない、うまくやっている」と思っていたようですが、妻の有美子が知らないわけはありませんね。

全て知っていた上で普段通りに振る舞っていたのだと思いますが、有美子の立場になってみると、これはキツイ。「知らないふり」が出来る妻って、どれほどいるでしょう。

 

東野圭吾著「夜明けの街で」文庫本・背表紙画像
東野圭吾「夜明けの街で」目次

 

さて。

秋葉が容疑者とされている事件についてですが、この小説が発表された頃はまだ、殺人事件の時効があったわけです。15年。

その期限が迫っているため、犯人を見つけたいと必死になる者たちがいます。事件を追う神奈川県警の刑事と、被害者の妹。

 

この2人の登場によって、渡部の心は揺れます。

確かに彼らの意見から真犯人を捜そうとすれば、どうしたって秋葉が怪しいのですから。

ここまで読んだ私は、結末が気になってしまい、眠気と闘いながら最後まで読みました。就寝時間が遅くなりましたが、満足◎そういうことだったのか。

 

おまけ、として渡部の友人である「新谷君の話」が掲載されています。

なるほどなるほど。どおりで渡部の不倫を必死で止めたわけだ。

この本の感想は、自分が置かれている状況によって違うだろうなあ…。

 

まとめ

秋葉の実家が横浜市内にあるということから、桜木町や元町、中華街などが出てきます。

デートには、打ってつけだったの場所だったのでしょう。

 

15年前の事件の背景にあった新事実は、やり切れないです。

恋愛中は、悩むことも多いのですが、成長できるし心が弾むし、基本的には楽しいもの。

でも、誰かが悲しむような恋はどうかなと思うので、小説の中だけで良い話題です。

 

今さらですが、小説から学ぶことってありますね。