伊坂幸太郎「マリアビートル」の登場人物
伊坂幸太郎著「マリアビートル」は、2010年9月に角川書店から発売された小説。
全465ページ。
「殺し屋」シリーズ、第2弾です。
以前紹介しましたが、第1弾はラッシュライフ。第3弾はAX(アックス)。
どれも良いのだけれど、「マリアビートル」もスリリングで面白かった!
前作(ラッシュライフ)の鈴木さんやら槿が登場します。
ラッシュライフを読んでから読むと、いいのかもしれません。
では、主な登場人物の紹介です。
木村雄一 元殺し屋。6歳児の父。
蜜柑 殺し屋。小説をよく読む。
檸檬 殺し屋。電車とトーマスが好き。
王子慧 中学生。
七尾 殺し屋。
真莉亜 七尾の指示役。
槿 押し屋。
鈴木 塾の講師。
木村渉 雄一の息子。
木村茂 雄一の父。
木村晃子 雄一の母。
伊坂幸太郎「マリアビートル」のあらすじ
木村雄一は、息子をデパートの屋上から突き落とした中学生への復讐を試みようとしていた。
蜜柑と檸檬は、身代金を運んで人質を助ける、という仕事を与えられていた。
七尾は、荷物を奪って次の停車駅で降りる仕事をこなそうとしていた。
大人を巧みにもてあそぶ中学生の王子も、ある目的を持って新幹線に乗っていた。
盛岡行きの新幹線内で繰り広げられる、ドタバタ劇。
伊坂幸太郎「マリアビートル」の感想
シリーズを通して読むと、面白い仕掛けに気付くことが出来ます。
もちろん、本作マリアビートルだけでも楽しめますが◎
なじみのある東北新幹線の車内で、こんなことが起きてしまったならば…と想像してしまい、そわそわ。もちろん、あくまでもフィクションです。
さて。
行動が裏目に出てしまう、気の毒すぎる七尾。
負の連鎖も、たまにはあるよね!と励ましたい気持ちになるも、とことんツイてない彼ですので、もうこれは宿命だと思って受け入れるしかないのでは?と思ってしまいました。
東京駅から乗車して荷物を奪い、次の上野駅で降りるという仕事なのに、あんな事に巻き込まれるなんて。
しかし、侮ってはいけません。
七尾は「殺し屋」ですし、意外な一面もあるのでした。
檸檬と蜜柑は、良いコンビです。見た目も似ている。
そそっかしい檸檬ですが、やたらとトーマスに詳しいのが可笑しい。
蜜柑は神経質なところがあり、檸檬とは正反対の性格をしています。
一番いらいらさせられた登場人物が、王子慧。
こんな狡猾な中学生、本当に存在したら嫌だな。イヤミが、まぁ~生意気!
世の中を知ったような発言をし、大人をコントロールしようとする大した奴。
出会った大人に対して、とある質問を繰り返し聞く彼。
私だったらどう答えるだろう?と考えましたが、難しいですね。
答えが出ぬまま、もやもやとしつつ頁をめくりましたが、後半で名回答を繰り広げてくれた人が登場。あれは、説得力があったなあ。
押し屋の槿(あさがお)も、腕は衰えていないようでした。
前のシリーズで登場した、鈴木さんも登場。いい味出してました。
人には、色んな過去があるものですね。
そして後世、どんな形で役に立つか分からないものです。
ラストの解釈は、人によってわかれそう。
まとめ
コロナ禍ということもあり、しばらく乗れていない新幹線。
作中に出てくる「はやて」には、実家に帰る時に東京駅から仙台駅まで乗車します。
早く自由に乗れる日が来るといいなあ。
この作品のように、物騒な人ばかりが乗り合わせた新幹線は嫌ですが。
読みごたえがあって、面白い作品でした。