まつりパンライフ

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江國香織「シェニール織とか黄肉のメロンとか」のあらすじと感想

江國香織「シェニール織とか黄肉のメロンとか」の登場人物

雪が降ったり(積もったり!)、選挙があったりと、何かとざわついたここ最近でしたが、とても面白い本に出会ったので紹介します。

 

表紙が素敵で、思わず手に取ったこの一冊。

みれば、江國さんの本。そういえば久しく読んでないな、と思い読んでみることに。

これが、大当たり。今の私の心にすっと入ってきたんです。

大きな事件が起こるでもなく、嫌がらせをする奴が出てくるわけでもなく。

とにかく、ずっと楽しく読み続けられる本でした。

 

江國香織著「シェニール織とか黄肉のメロンとか」は、2023年9月に角川春樹事務所から発売された小説。

「ランティエ」連載分に加筆・訂正したとのこと。全268ページ。

 

登場人物の紹介です。

諏訪民子 物書き。

清家理枝 元外資系金融会社勤務。

室伏早希 主婦。

諏訪薫 民子の母。

 

清家朔 理枝の甥。高校生。

百地幹生 民子の昔の交際相手。

河野里美 民子の亡き同級生。旧姓・猪熊。

河野まどか 里美の娘。

陸斗 まどかの交際相手。

 

江國香織「シェニール織とか黄肉のメロンとか」のあらすじ

民子、理枝、早希の3人は、大学時代からの友人。

境遇は違えど、50代後半となった今も頻繁に会う間柄だ。

 

母親と2人で暮らす民子の家に、一時的に理枝が居候することに。

仕事を辞めてイギリスから帰国するので、住まいが決まるまで滞在させてほしい、という理枝からの申し出があったためである。

 

かつての「3人娘」のもう1人、早希は専業主婦。夫に代わり、施設に入っているアルツハイマーの義母を頻繁に見舞い、庭づくりにせいを出す。

 

異なる性質の3人の日常、そして周囲で起こるちょっとした事柄が様々な視点から描かれる物語ー。

 

江國香織「シェニール織とか黄肉のメロンとか」の感想

先にも書いた通り、作中に広がる世界がなんとも素敵で楽しくて、読みかけの本の表紙を見るたびに「次はどんな展開が待っているのだろう」とワクワクする気持ちになりました。

身近な感じのする話だけれど、どこか洒落てる。さすが江國さん。

 

視点が次々に変わるのも、テンポよく読めるポイントかなと思いました。

女同士の友情って、いいものだなあ。

 

軸となる3人(民子、理枝、早希)の他にも、薫、まどか、朔、といった年代がバラバラな人物の視点からも描かれています。

 

お人好しの民子。彼女は、文筆業で生計を立てています。同居する母親は、プールに通うほど元気ではありますが、80代ですから高齢者には違いありません。何かあっては、と心配する民子と、それを煩わしく感じる母・薫。どちらの気持ちも、わかるわ〜!となりつつ、民子の思いに近い自分…。

なお、薫視点からのパートも興味深くて、娘のことをこんな風に見ているのね、と。50代になっても娘は娘。心配は尽きないんだなあ。

 

理枝は、とにかくパワフル。実際はちょっと距離を置きたいタイプかな、と思いますが物語の登場人物としては最高のキャラクター◎常に恋愛をしていたい情熱的な人ですが、優しいところもあって憎めない。言いたいことをズバズバ言って、人生楽しいだろうな。甥の朔のことを可愛がる、いい伯母。

 

早希は、息子(次男)と夫と暮らす主婦。施設に入居している義母との面会や家を出て働いている息子(長男)の将来設計への思い、家を整えることなどで、そう暇でもない日々。

 

映像作品というわけではないのに、情景が頭のなかに広がりました。とても豊かな気持ちにさせてもらえたのと、癒し効果がすごかった。色々と疲れていたところだったので、なおさら。

 

まとめ

この物語が終わってほしくない、このままずっとこの人たちの暮らす世界をみていたい、と思った素敵な作品でした。

癒されたい人に堪能してほしい、おすすめの一冊。

群像劇って、好きなんです。