江國香織「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」の登場人物
わが地域の桜は、もうそろそろ見納め、というところ。
来年はどんな気持ちで桜を眺められるのかなあ、とちょっと感慨深くなってしまう春の日です。
さて、ここのところ家でも移動中でも江國さんの小説を読んでいます。今の自分の状態に、彼女の描く物語のテンポ感がしっくり来るような感じがしているのです。
江國香織著「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」は、2003年6月に集英社文庫から発売された小説。単行本の発売は、2000年4月。
巻末の解説は唯川恵氏。全383ページ。
主な登場人物の紹介です。
水沼塔子 主婦。35歳。元トリマー。
水沼郁夫 透子の夫。
篠原エミ子 花屋。
篠原敏久 エミ子の夫。
土屋れいこ 塔子の高校時代からの友人。編集者。
土屋保 れいこの夫。カメラマン。
衿 土屋の恋人。モデル。
スエ子 衿の祖母。
近藤綾 主婦。1児の母。
近藤慎一 綾の夫。
近藤裕一 近藤家の長男。小2。
玉木草子 塔子の妹。32歳。
茶谷麻里江 草子の上司。
小島桜子 れいこの職場のアルバイト・大学生。
山岸朋也 獣医師。塔子の元恋人。
山岸道子 山岸の妻。
江國香織「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」のあらすじと感想
登場人物は多いけれど、立場が大きく違います。よって、こんがらがってしまうという心配がありません。これは読み進めるときに重要なのではないかな、と思う点のひとつです。中断することなく読めることで、物語により深く没頭できるからです。
あらすじは、先ほどあげた人物たちの日々の生活、そして恋模様、といったところでしょうか。
既婚者も多く登場しますが、婚外恋愛もあり、夫婦間のあれこれもあり、実らぬ恋もあり。思わぬところから恋愛に発展することもあるものだなと楽しく読めました。
視点がくるくるとかわり、飽きることなく読了。
結婚して4年目の塔子は、常に夫に従順。(私には無理)
その夫である水沼は、思い通りに事が進まないと途端に不機嫌になる。(今の時代なら「フキハラ」案件)
カメラマンの土屋は、既婚者ながらにして常に恋人がいる。(こういうタイプは、実在するのだろう)
土屋と長く付き合っているモデルの衿は、ある野望を叶えるべく土屋と逢瀬を重ねる。(彼女にとってはこれが幸せなのかな)
もう一人子供を望む綾は、家族計画に協力的ではない夫の態度に不満を募らせる。
塔子の妹の草子は、義兄が気に入らず、叶わぬ恋を引きずり続けている。
綾と結婚して9年になる慎一。
夫と花屋を経営するエミ子は、ひそかに離婚を企てている。
真面目で几帳面な性格のれいこは、にぎやかな集まりが好きでそのたびに幸せを感じるが、夫との関係には思うところがある。(登場人物の中で、私が一番好きな女性◎)
仕事に趣味にと忙しい麻理江。
凡庸を嫌う大学生の桜子は、表には出さないが心の中では悪態ばかりつく。(コワイコワイ)
獣医師の山岸と、その妻道子の関係性は、他人からみえている景色と当人たちの思惑は、きっと違うのだろうと推察。
信じられない!というぶっとんだ行動を起こす人物から、これはわかるわ、と思わず共感してしまう人物まで、様々なキャラクターが描かれています。
特に誰かに肩入れするでもなく読めたのが、心地良かったです。
まとめ
ひとつの恋愛模様をどっぷり描くような小説も、ときにはいいのですが。
今の自分にはヘビー過ぎるので、このくらいサラッと描かれていると、読み手として気楽ですし、考え込んでしまう前に切りかえが出来て色々ちょうど良かったです。
