櫻田智也「失われた貌」の登場人物
4月とは思えぬ気温の日々が続きます。
しもやけになるほど冷えで悩む私でさえ、室内では靴下を履かずとも過ごせる気候…。
来月からはどうなってしまうのだろう、と不安を覚えないでもないですが、まあなんとか過ごしていくしかないのでしょう。
さて、今日はミステリー作品の紹介。
近所の書店の本屋大賞・特設コーナーに並んでいた本です。
これ、去年発売されたときの帯文が気になっていたんですよね。推薦コメントを寄せる作家の豪華なこと!伊坂さん、米澤さん、恩田陸さんですよ。す、すごくないですか?
確かに、期待を裏切らない面白さでした◎
櫻田智也著「失われた貌(かお)」は、2025年8月に新潮社から発売されたミステリー小説。全297ページの書き下ろし作品。
以下、主な登場人物の紹介です。
日野雪彦 媛上警察署・捜査係長。41歳。
入江文乃 媛上警察署・巡査部長。29歳。
鷹宮 県警本部刑事部鑑識課の検視官。
羽幌 媛上警察署・生活安全課長。
柿本 駒根警察署・刑事課主任。
佐竹亘 事務職の会社員。33歳。
上村杏子 児童クラブのスタッフ。41歳。
辻晴一 とある事件の容疑者。39歳。
辻加奈 晴一の妻・被害者。37歳。
白川清 アパートのオーナー。
八木辰夫 元・興信所所長。
幸田みつ子 出所者支援NPO代表。
小沼憲 配送請負業者の営業。
小沼久美 憲の妻。スーパーの副店長。
小沼隼斗 憲と久美の息子。小学4年生。
日野未咲 雪彦の妻。看護師。
日野眞夏 日野家の長女。中学3年生。
櫻田智也「失われた貌」のあらすじ
谷底で40〜50代の男性の変死体が見つかった。第一発見者は、不法投棄目的に現場を訪れた男性。
遺体は顔を叩きつぶされ、手首から先を切り落とされていた。さらに、歯も抜かれて髪も切られ、身元を特定するのが困難な状態だった。
犯人はなぜ殺害し、ここまで隠蔽工作をする必要があったのか。
もしかしたら、過去の事件との関連もあるのかもしれないー。
櫻田智也「失われた貌」の感想
全編を通して、刑事である日野の視点で語られていきます。
共に捜査にあたる部下とのやりとりや家族との小さないざこざまで、事件解決は勿論のこと、日野の生活そのものまでが垣間みえるようでした。察しの良さは、さすが刑事だなと感じました。
小さな違和感から、捜査方針の変更や質問の内容、次々と変化する展開に、ページを読む手がとまりません。それと、無関係と思われた事象が実は後の事件の解決につながっていたりして、作者の仕掛けに驚かされるばかり。著者はこの作品が初の長編だというのですが、信じられない情報です。頭の中、どうなっているんだろう。
それと、過去から今に続くまでの、同期・羽幌との関係性についても興味深く読み進められました。
刑事も一人の人間として私たちと同じように生活があって家族がいて、当たり前のように小さなことで頭を悩またりするんだなあと妙に距離が近く感じたりもします。
作中に登場する、元気が良すぎる子供らの存在感たるや。物語の中でも、重要な存在になるのですが。
ミステリーだけれど重くなりすぎず、子供たちの無邪気さのおかげで少し違った空気感が醸し出されているような気がしました。しかし刑事と接点があるということは、少年には複雑な背景があるわけで。健やかに成長出来る事を願います。
最後まで気が抜けない展開が待っていますので、ぜひ読んでみて下さい。
どんでん返しって、こういうときに使う言葉なんだろうなあ。
まとめ
夜に読みはじめる→面白くてやめられず→寝落ち→悪夢をみる、のパターンを何日かやりました。
変死体が出てくる話なので、夢に直接影響されやすい人は要注意ではありますが、期待を裏切らない面白さでした。
そういえば、本作は新潮社の中瀬さんもラジオでお勧めされていました。
今回の本屋大賞ノミネート作品は何冊か読みましたが、もう何冊か読んでみようと思っています。
