まつりパンライフ

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真梨幸子「鸚鵡楼(おうむろう)の惨劇」のあらすじと感想

真梨幸子著「鸚鵡楼の惨劇」背表紙

 

真梨幸子「鸚鵡楼(おうむろう)の惨劇」の登場人物

真梨幸子著「鸚鵡楼(おうむろう)の惨劇」は2013年7月に小学館から発売された小説。

全362ページの、書き下ろし作品です。

 

ようやく日中も涼しくなり、心地よい風が感じられる季節になってきました。

そろそろ夏物を片付けようかな。衣替えって面倒ですよね。

 

さて、今回紹介する本も真梨さんのミステリー作品です。

とても面白かったので、未読の方はぜひぜひ。

 

自分のための備忘録として残しておきます。

 

では、主な登場人物の紹介から。

 

蜂塚沙保里 人気エッセイスト。

蜂塚祥雄 沙保里の夫。制作プロダクションの営業。

蜂塚駿 沙保里の息子。

蜂塚京子 祥雄の母。

蜂塚依子 祥雄の妹。

 

南川千鶴子 フリーの編集者。

大倉悟志 プロデューサー。元編集者。

藤本美沙 沙保里の高校時代の知り合い。

北見奈緒 沙保里の元同僚。

須藤朱美 沙保里と同じマンションに住むママ友。

須藤英之 朱美の息子。

 

河上航一 沙保里の元カレ。犯罪者。

 

菅野健一 マンションのドアマン。

香坂雅哉 検事。

REIKO ヒプノセラピスト。

宮野聖子 映画の宣伝担当。

村木里佳子 総合誌の編集者。

 

真梨幸子「鸚鵡楼の惨劇」のあらすじ

1962年、新宿区十二社(じゅうにそう)の料亭・鸚鵡楼で起きた殺人事件。

そして1991年、鸚鵡楼の跡地・西新宿の高級マンションで起きた殺人事件。

 

同じ場所で、繰り返される殺人。

事件の真相、そして犯人はー?というあらすじです。

 

真梨幸子「鸚鵡楼の惨劇」の感想

第一章は1962年、「僕」が12歳の頃の回想シーンが描かれています。

家は洋食屋を営んでおり、手伝いをしているうちに同級生であるミズキという少女の秘密を知ってしまいます。花街って、こんな事がまかり通っていたんだろうか…。

 

第二章「テレゴニー」は、1991年。

ここで人気エッセイスト・蜂塚沙保里が登場。

 

いわゆる「セレブ」の日常が垣間見られます。

マンションのグレード、身につけるブランド品の数々に、おったまげます。

 

ところでテレゴニーって有名な説なのでしょうか。無知な私は、今回初めて目にした言葉でした。

 

簡単に言うと、女性が出産した子どもに、父親の前に関係を持った男性の特徴が遺伝するという説です。女性の体内に、前の男性の痕跡が残っているというのです。

 

ググってみたところ、出てくる出てくる。

なんとも奇天烈な説だなと思いましたが、ちょっと気になってしまう説ですよね。だからこそ(私を含め)皆気になるのかな?と。

しばし妄想の世界へと旅してしまいました。

 

沙保里は、息子の駿にテレゴニーを感じてしまうのですが、当事者目線で描かれているだけにリアル。

 

義母や義妹との関係性も、他人事だと思うと感情移入せずに読めますね。

近い距離に物書きの人がいて、自分がネタにされていると知ったら複雑ですけど。

 

真梨幸子著「鸚鵡楼の惨劇」の目次

 

後半では、独特の性癖の男たちが登場。

気持ちよく読める、とは言い難いのですが新しい扉を開けたような気がします…。

 

冒頭に描かれていた事件の真相が分かると、スッキリ。

 

ラストに明かされる「ミズキ」と「こうちゃん」の正体に驚愕。

すっかり騙されてしまっていたので、意外過ぎる!という感想。

これ、気付いた人いるのかなあ?

 

鸚鵡楼の跡地に建てられたマンションでの事件、というのも偶然ではないと考えてしまったのでした。

なんとなくですが、「土地に宿る因縁」のようなものって、あるような気がするんです。

 

真梨幸子著「鸚鵡楼の惨劇」本扉画像

 

まとめ

はぁー。面白かった!

真梨さんの作品を読むうち、徐々に免疫が出来てきたのでしょうか。

 

生臭ささえ感じるような描写がリアルで、少し前だったら嫌悪感をもっと強く感じていただろうな。

でも、これだけは。幼い子へのいたずらは、いけません。

 

勝手な自分の思い込みによる勘違いに最後まで気が付かなかったけど(←これはいつも)、私はこの作品、とても好きでした。

それにしても、駿の癖がひたすら薄気味悪かった。

 

鸚鵡って、随分寿命が長いのですね。