南部小麦(地粉)の特徴
今日は、国産小麦の中でもちょっと珍しい岩手県産の小麦粉、南部小麦(ナンブコムギ)について取り上げてみたいと思います。
「南部地粉」という名で売っているのを近所の自然食品店で見かけ、試しに買ってみたらなかなか美味しいパンが焼けたので記録しておきます。
岩手県産の「ナンブコムギ」100%のこの粉は、強力粉ではなく「中力粉」に分類されるそうです。
※テリア特号という商品名で売っている事もあります。
中力粉ですので、パンの他に麺を打ったりするのにも使える、とパッケージに書かれてありました。
南部小麦には、風味が豊かだという特徴があります。
一本挽きという製法(皮以外を丸ごと挽く)をとっているそう。
パッケージの裏面には「丸ごと製粉してふるいにかけ、ふすまのみを取り除いた小麦粉」、との文言が表示されています。
灰分の表示はありませんが、おそらく高めなのではないかと推測。
見た目が黄色っぽいのも特徴です。真っ白ではありません。
その他の特徴として、手ごねをしていて、あまり吸水がよくないというのも感じます。
ですので、少し控えめに加水してみました。
どの小麦粉でも感じることなのですが、時間をかけてゆっくり発酵させると粉のうまみが出て、より美味しいパンが焼けると思います。
南部小麦のこれらの特徴から、食パンなどカサが必要なパンよりは、プチパンやベーグルなどの素朴でシンプルな配合のパン向きの小麦粉ではないかなと思いました。
今回はレーズンとアーモンドのパンを焼いたので、その記録です。
全粒粉を加えていますが、なければ小麦粉で置き換えて下さい。
使用量を減らし、発酵時間を長めに取っています。
レーズンとアーモンドのパンの作り方
パン7個分の材料です。
材料
南部小麦粉 320g
全粒粉 80g
塩 4g
酵母 1.6g
水 230g
レーズン 100g
アーモンド 80g
できれば、レーズンは軽く洗って水気を切っておきます。省略可。
アーモンドは空焼きして(180度、予熱なしのオーブンで15分)、冷ましておきます。この手順は省略不可です。
作り方
ボウルに地粉、全粒粉、塩を入れて軽く混ぜておきます。
酵母、水を加えて10分くらい捏ねていきます。
そこへレーズンとアーモンドを加え、生地全体に行き渡るように馴染ませます。
生地をひとまとめにし、とじめを下にしてボウルに入れて一時発酵させます。ラップ等で覆って下さい。
室温26度、5時間でいい具合に発酵しました。
軽くガス抜きをして7分割し、軽く丸めます。
ベンチタイムは10分。
その後、きっちり丸め直して二次発酵開始。
30度で30分くらい。※オーブンの発酵機能を使いました。
お好みのクープを入れて、220度に予熱したオーブンで10~15分焼成。
生地の材料に糖分・油分を加えていないので、焼き色があまりつきません。
容量30Lのオーブン、付属の天板1枚を裏返して使用しました。
天板を裏返して使うと「ヘリ」の部分に生地が当たらないので、一度にたくさん焼くことが出来て便利です。
この時期は、さつまいもを下段に入れて二段焼成しています。
紅あずまの焼き芋が、ホクホクで美味しい◎
まとめ
また、お気に入りの小麦粉が増えました。
粉のうまみが、しっかりと感じられる小麦です。
岩手県産というのが、東北出身者としては嬉しいです。
近所のお店での偶然の出合いに感謝です。
普段、レーズンパンにナッツを加えて焼くときはクルミとあわせる場合が多いのですが、アーモンドもおすすめです。クルミにはないカリッと感が楽しめます。
レーズンと生地が馴染んでいる箇所が好きです。
金木犀が香る季節となりました。
いつもの散歩コースを少し変えて、あの香りを求めてしまう今日この頃です。
実家の庭にも、祖父が植えた金木犀があったなあ。