まつりパンライフ

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米澤穂信「犬はどこだ」のあらすじと感想

 米澤穂信「犬はどこだ」文庫版表紙

 

米澤穂信「犬はどこだ」の登場人物

米澤穂信著「犬はどこだ」は、2008年2月に創元推理文庫から発売された小説。

単行本の発売は、2005年。

全365ページ。

 

米澤さんの作品を読むのは久しぶり!

探偵小説」の帯にひかれて手に取りました。

 

では、主な登場人物の紹介です。

 

紺屋長一郎 25歳の主人公。元銀行員。

半田平吉 長一郎の剣道部の後輩。通称・ハンペー。

河村梓 長一郎の3つ下の妹。

河村友春 梓の夫。喫茶店「D&G」のマスター。

大南寛 紺屋の友人。町役場の職員。

 

佐久良且二 農業従事者。

佐久良桐子 且二の孫。元システムエンジニア。

神崎知徳 桐子の元同僚。

渡辺慶子 桐子の友人。

百地啓三 谷中地区の自治会長。

 

米澤穂信「犬はどこだ」のあらすじ

元銀行員の紺屋長一郎は、犬捜しの調査事務所「紺屋S&R」 を開業。

「S&R」は、サーチ&レスキュー。

しかし、請け負うことになったのは失踪人捜しと、古文書の解読

 

探偵に憧れているらしい、後輩の半田平吉(通称・ハンペー) と共に、調査に乗り出す。

 

米澤穂信「犬はどこだ」の感想

主人公である紺屋長一郎と、ハンペーの視点で描かれている本作。

それぞれが別の案件を追っています。

開業早々に2件の依頼を受けるも、どちらも犬捜しではない(!)というところで、この作品は面白いに違いない、と確信しました。

 

長一郎の担当は、失踪人捜し。

地元を出て東京に就職した24歳の佐久良桐子が、姿を消します。

希望していた仕事に就くも辞めてしまい、住まいも引き払っており、家出でもないとすると?

 

孫を心配した且ニが調査を依頼するのも、もっともかもしれません。

(依頼した先は犬捜しの事務所だったわけですが。)

長一郎は「探偵」として調査をしますが、つれない対応をされたりもします。

いきなり「探偵ですが」と名乗られても、信用出来ませんよね。

 

米澤穂信著「犬はどこだ」文庫版背表紙

 

一方、ハンペーが担当する案件は古文書の調査。

歴史に詳しいわけでもない彼ですが、探偵に憧れている、という熱意で仕事を引き受けます。

憧れの職業というのは、ここまで人を駆り立てるものなんですね。

 

読者としては、ハンペーの周りをうろつく怪しい男の正体も気がかり。 

長一郎とハンペー、異なる視点で読むことが出来て良かったです。

互いが互いの印象を述べているので、意外な一面を知ることができます。

 

ところで。

調査をしていると、想定外のところからヒントを得られる場合もあるんですね。

無駄に思える作業でも、糸口が見つかったり。

 

長一郎がチャットでやり取りする場面があるのですが、ネット上の出会いというのはこの頃(2005年)から盛んになったように思います。

私も、この頃にブログで知り合った人と時々連絡を取ったりします。面識はありませんが。

良い人との出会いもあれば、良からぬことを考えている人に出会ってしまい、トラブルに発展する場合もあるのでしょうけれど。

 

終盤で明らかになる桐子の足取りと、彼女の身におきたであろう事実。

そして、失踪の理由を知ってしまった長一郎と、彼が取った行動ー。

意外な(恐ろしい)結末が待っていました。 

 

最後に

単行本としては、2005年に発売された作品。

私が初めて自分専用のパソコンを買ったのも、その頃だったように記憶しています。

家族と共用のものではなく、専用のパソコンが欲しかったんですね。

この本を読んで、当時はやったチャットを思い出しました。

 

20代の男性2人の、コミカルなやり取りが面白かったです。

ラストは衝撃的でしたが、面白いに違いない、と感じた直感は当たっていました。