柚月裕子「朽ちないサクラ」の登場人物
柚月裕子著「朽ちないサクラ」は、2018年3月に徳間文庫から発売された警察小説。全416ページ。
単行本の発売は、2015年2月。
書店で目についた、こちらの本。
映画化されたとのことで、目立つ場所に置いてありました。
以前記事にした「月下のサクラ」の前身になる作品です。
主人公は、前作と同じ森口泉です。
では、「朽ちないサクラ」の主な登場人物の紹介をします。
森口泉 主人公。米崎県警・広報公聴課。
富樫隆幸 米崎県警・課長。
新井美佐子 米崎県警・広報公聴課。35歳。
梶山浩介 米崎県警・捜査一課長。
磯川俊一 平井中央署・刑事。26歳。
辺見学 平井中央署・巡査長。35歳。
松田敏 平井中央署・主任。
杉林正一郎 平井中央署・課長。
高田彰子 嘱託の事務職員。
百瀬美咲 かつての臨時職員。
津村千佳 米崎新聞の記者。
津村雅子 千佳の母親。
兵藤洋 米崎新聞報道部デスク。
長岡愛梨 ストーカー殺人の被害者。
安西秀人 殺人事件の容疑者。
柚月裕子「朽ちないサクラ」のあらすじと感想
米崎県平井市でおきた、女子大生・ストーカー殺人事件。両親からの被害届を放置しておきながら、所轄の警察署職員らは慰安旅行へ参加していた。
世間からの非難がやまぬ事態に陥るが、一体どこから情報がもれたのかー。主人公の森口泉には、自分から漏れたのではという心当たりがあった。
新聞記者をしている親友・千佳が約束を破り、漏らしたのではないかと。しかしその直後、彼女は何物かに殺されてしまうー。
といったあらすじです。
本来ならば、前作の「月下のサクラ」よりも本作から読むのが筋なのかもしれませんが、順番が逆でも違和感なく楽しめました。
前作で幾度も登場していた「親友の死」というフレーズ。ようやく、話がつながりました。
泉の過去に、こんな事があったとは…。
親友を亡くした悲しみに加え、最後の接触では彼女に疑いを向けたままだったという状況下。しかも、関係者として捜査本部から事情聴取を受けるという経験も。ツラすぎます。
そして本作は、泉に好意を寄せている磯川の側からも描かれています。
彼は、平井中央署に勤務する26歳の刑事。泉の3歳下。こちらの署は、ストーカー殺人の所轄です。被害届をなかなか受理しなかった経緯や、非難された後の職場の殺伐とした空気が伝わってきます。
そして、彼の目を通してみた泉の人格が興味深かったです。
入庁4年目の泉は、冷静で芯がブレません。
この二人が千佳の死の真相を探っていくわけなのですがー。
両者ともに、鋭い!読み手であるこちら側までも一緒に真実に迫るような感覚に。
「裏があるような気がする」とつぶやいていた千佳でしたが、それを明らかにすることなく殺されてしまった無念さを思うとやりきれません。
ただ、泉と磯川の活躍は想像の上を行っていましたよ。
そして、ラストの章では驚きの「まさか」の展開が待っていました。最後まで油断できないストーリー。
最近のあれこれ
ようやくここ関東も、朝晩は涼しい風が吹くようになりました。
(日中はまだまだ暑いのですが。)
夏は美味しいものがたくさん出回るので、それだけを楽しみに暮らしていたような気がします。桃、メロン、スイカ、とうもろこし。
先日の台風では、中心から離れているにもかかわらず神奈川に大雨をもたらしました。
避難所が開設されたり、道路が通行できなくなったり、電車がとまったり。
これからが台風シーズンなので、大きな被害なく冬に突入してほしいと願うばかりです。
こんなにも、冬を待ち遠しく思う日が来るとは思いませんでした。