まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

スペルト小麦で「こねないパン」を焼いてみる

スペルト小麦という、ちょっとマニアックな(?)小麦粉を購入してパンを焼いたので紹介しますね。

 

こねないパン

スペルト小麦とは?

スペルト小麦と聞いても、なじみのない食材かもしれません。

 

しかしこの間、レイチェル・クーの番組を観ていたら、タルトを作るときにこのスペルト小麦を使っていました!!

 

あの番組が好きで毎週楽しみにしています。

 

彼女の赤いリップがなんともキュートで、ぴかぴかの笑顔が元気をくれます。

 

スペルト小麦

 

スペルト小麦は、ドイツでは「ディンケル」、イタリアでは「ファッロ」と呼ばれています。

 

輸入食品を多く扱うスーパーをのぞくと、これらの名前でスペルト小麦を使用した食材が並んでいるのをよく見かけます。

 

輸入食品のパッケージって、なんであんなにポップでかわいいのでしょう。

 

スペルト小麦は古代エジプトで栽培が始まり、その後ヨーロッパへ持ち込まれたようです。

 

ところが、収穫率が低く製粉が難しいために衰退しかけたそう。味わい深い小麦だけに、なんだか残念ですよね。

 

しかし、健康ブームも相まって注目され、知名度を上げてきているのだとか。

 

スペルト小麦は、人工的な品種改良がほとんどされていない通常小麦の原種で、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養が豊富に含まれています。

 

現在流通している小麦粉は、安定して収穫できる質の良いものを!という理由から品種改良されているそうで、原種とは随分違ってきているそうです。

 

殻が固く根が15mもあるため、天候に左右されにくく害虫にも強いため、低農薬栽培や無農薬栽培が可能です。

(今回はオーストラリア産、オーガニック・スペルト小麦粉を入手しました)

 

スペルト小麦は、生地がダレ気味になりやすいグルテンの性質をもつために、軽くこねるだけで十分とのこと。

 

このあたりの特性も考慮すると、パンを焼くときはハード系向きなのかな?という印象を受けました。

 

ここまでの情報だと、「スペルト小麦って、ややこしくて扱いづらそうな小麦粉!」と思わせてしまったかもしれません。

 

しかし、実際に使用してみましたらそんなことはありませんでしたのでご安心を。

 

スペルト小麦でこねないパンを焼く方法

こねないパン、つまり混ぜるだけのパンを焼いてみました。

材料

材料はとてもシンプルです。

  • スペルト小麦 250g
  • 水 250~280g
  • 塩 2.5g
  • 白神こだま酵母 2g(同量のインスタントドライイーストでも可能です)

ディンケル小麦

 

焼成するときにオリーブオイルをかけますので、お好みのオリーブオイルを用意して下さい。

 

生地を型に流し込んで焼くため、型が必要になります。

 

今回は19cm×25cmのホーロー容器を使用しましたが、大体同じくらいものであれば大丈夫です。

 

小さい型しかなければ生地の量を少なめに、大きければ多めに、など調節してみてください。

作り方

ファッロ小麦

 

材料を全てボウルに入れ、ゴムベラで30回くらいぐるぐる混ぜてラップをし、1時間半くらい置きます。(ゴムベラは入れたままでOK!)

 

パンの発酵生地

 

このような感じで、お餅のような生地でした。

 

再びゴムベラで全体を混ぜてガスを抜いてラップをし、2時間ほど発酵させてください。

 

型にオーブンペーパーを敷き、生地の気泡をつぶさないように生地を入れて30分くらいおくと下記のような状態になります。

 

(生地が乾燥しないように袋で覆うなどして下さいね)

 

パン生地

 

このように、表面に気泡が出来ているのが確認できるくらいまで発酵させます。

 

ホイロ後の生地

 

オリーブオイルを大さじ3くらい回しかけ、指で生地を押し込んで下さい。

220℃に余熱したオーブンで25分焼けば完成です。

 

古代小麦のパン

 

今回使用したのは、作り置きなどにも便利な野田琺瑯のレクタングルM浅型です。

 

オーブンにも使用でき、ガスコンロでの使用も可能でとても重宝しています。

 

気を付けることやポイントは?

通常の小麦で作るときよりも水分量を10%ほど多めにするといい、との情報を得たのでかなり加水しています。

 

捏ねすぎるとスペルト小麦独特の風味が飛ぶのでそのあたりも考慮し、短めに行いました。

(通常の半分くらいの捏ね時間を目安に行うといいそうです。)

 

発酵時間はあくまで目安ですので、生地の状態をみて調整してください。

 

前日に生地を用意しておくこともできます。

 

酵母の量を減らしたり冷蔵庫で生地を管理するなどして、ゆっくり発酵が進むように調節してください。

 

パンの断面

 

焼いてみた感想 

水分が多く、比較的長時間発酵させる生地なので、混ぜるときにそれほど神経質にならなくても良さそうです。

 

ボウルの中でゴムベラを使用して生地を混ぜますので、手が粉まみれになることもありません。

 

ですが、手ごねでこねるとどのようになるのだろうと気になりました。

 

焼き上がりの断面をみると、思いがけず気泡もできていました。

 

オリーブオイルがいい具合にしみ込んでいて、なんとも美味しそうな焼き上がりです。

 

スペルト小麦100%で焼いたパンは、独特の香ばしさ(ナッツのような感じ)とほんのりとした甘さが感じられます。

 

風味と食感、香りのいいパンが焼ける小麦粉でした。

 

うまみを生かし、全粒粉やライ麦をブレンドしたパンとも相性が良さそうだと思いました。

 

噛めば噛むほど美味しい、スペルト小麦のパンが焼けて満足です。

 

国産のスペルト小麦や全粒粉も販売されているようなので、機会があればそちらでも焼いてみたいと思います。

 

後日、国産小麦・春よ恋100%で「こねないパン」を焼きました。

 

www.matsuripan.com

 

スペルト小麦と比較してみましたので、興味がある方はこちらも読んでみてください。

 

最後に

スペルト小麦の風味を活かしたいため、バターや卵、牛乳などの副材料を使用しませんでしたが、正解でした。

 

準強力粉から中力粉の位置づけですので、パンの他に焼き菓子、うどん、パスタ、ピザ生地なども作れそうです。

 

まずはスペルト小麦を使用したシンプルなパンを焼いて、なにもつけずに味わってみてはいかがでしょう。

 

ホーローで焼くパン