真梨幸子「祝言島(しゅうげんじま)」の登場人物
真梨幸子著「祝言島(しゅうげんじま)」は2017年7月に小学館から発売された小説。
初出は「きらら」。掲載は2015年2月号~2016年12月号。
全348ページ。
今朝はいくらか涼しいような気もしますが、湿度があるため快適とは言えませんね。
4時に起きて1時間弱ほど散歩してきたのですが、暑かったです…。
さてさて、あらすじと感想の前に主な登場人物を。
九重皐月(メイ) 関東大学芸術学部の学生。
韮山亜弥 関東大学芸術学部の学生。メイの友人。
一ノ瀬マサカズ フリーの演出家。享年33。
七鬼紅玉(ルビィ) グラビアアイドル・女優。行方不明。
七鬼百合(リリィ) 元女優。ルビィの母。享年55。
国崎珠里 女優。田舎から上京。享年33。
三ツ矢勉 珠里のマネージャー。
サラ・ノナ スタイリスト。大柄・金髪のカーリーヘア。
嘉納明良 映画監督。
飯野武 フリージャーナリスト。嘉納の大学時代の友人。
東雲アキラ AMSグループ(芸能界最大手)の会長。
東雲義重 美容外科の院長。アキラの腹違いの弟。
大倉悟志 フリープロデューサー。
八代勝子 大倉の親戚。通称・イボやん。没。
なお、冒頭にも登場人物が記されています。
真梨幸子「祝言島」のあらすじ
かつて小笠原諸島の南端にあったとされる小さな島、祝言島(しゅうげんじま)。
ネット上では何故か、都市伝説(存在しなかった島)とされている。
その「祝言島」というタイトルのドキュメント映画が存在する。
監督は嘉納明良。
2006年に起きた未解決の「12月1日連続殺人事件」。
3人の被害者は、祝言島に関わっていると言うーというあらすじです。
真梨幸子「祝言島」の感想
相関図をかきながら読み進めることを、おすすめ致します。
頭の中がこんがらがってきます。
過去と現在が行ったり来たりもします。
この作品は、ラストがこわいです。すごいです。
最初の九重皐月(メイ)が語る部分なんかは、キャンパスライフが描かれており懐かしささえ感じるほど。
まあ、本作で描かれているような突飛なことは起こりませんでしたが。
芸能界に属する人物が出てくるため、美容整形なんかも出てきます。
プラセンタ注射やボツリヌス注射など、整形ネタは面白いですね。私はやる勇気がないので、物語の中で楽しませてもらっています。痩身用のレーザーまであるとは!
幾度となく出てくる、よくわからないけれど不気味な子守唄の歌詞。
気味が悪くて仕方ないのですが、最後に真相が明らかになります。ヒィー!っと言ってしまうようなオチでした。
ところで、ロボトミー手術って知ってますか?
わたくし勉強不足でして、初めて目にした言葉でした。
ふと気になり、寝る前に(よせばいいのに)検索してしまい、眠れなくなりました。
こわいこわいこわい…!血の気が引きました。
怪談話より、よほど怖いわ。
最後に
非常に読みやすい文体ですが、登場人物がとにかく多くて複雑なんですね。
冒頭に登場人物の紹介が記されているのですが、あれは賢明だったと思います。
ネーミングもユニーク。
真梨さん、こういう複雑な物語のアイディアはどこから湧いてくるのだろう?
レビューサイトでは、結末に納得がいかなかったとの意見も目にしましたが、そうかなあ?
私は予想もしなかった結末でしたし、面白かったですけどね。
感想をまとめるにあたり、ぱらぱらと読み返すうち、実はここにも伏線がはられていた!という新たな発見が。ミステリー作家ってすごいなあ。