まつりパンライフ

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真梨幸子「女ともだち」のあらすじと感想

真梨幸子「女ともだち」表紙画像

 

真梨幸子「女ともだち」の登場人物

真梨幸子著「女ともだち」は、2006年6月に講談社から発売された小説。

全293ページの書き下ろし作品。

 

少し前に発売された小説です。

最後まで面白く読めたので、記事に残しておきます。

 

では、主な登場人物の紹介から。

 

楢本野江 ライター。

田宮瑤子 38歳の会社員。出版社勤務。

吉崎満紀子 41歳の会社員。

小松佳苗 瑤子の友人。

山口啓太郎 事件の容疑者。配送ドライバー。

 

佐倉環 検事。

村岡(女史) 「グローブ出版」の編集者。

井沢詩織 主婦。ガーデニングでバラを栽培。

 

真梨幸子「女ともだち」のあらすじ

2005年、埼玉県のタワーマンションで1人の惨殺死体が見つかった。

同マンション・別の部屋で、もう1人の死体も発見される。

2人の共通点は、独身・エリート。

 

連続殺人事件の容疑者として逮捕されたのは、山口啓太郎。

(被害者のひとりと、関係を持っていたことが判明。)

 

もうひとりの被害者は、パソコンも携帯電話も所持していないとのことだがー。

彼女たちを結びつけるものは?というあらすじ。

 

真梨幸子「女ともだち」の感想

物語は、ライターの楢本野江が「月刊グローブ」にて事件の真相に迫る、という流れで進みます。

「月刊グローブ」で発表した文章と共に、野江が被害者の周りの人間に話を聞いたときの場面が描かれるのですが…。

 

野江は、山口啓太郎は無実であると考え、取材を進めます。

では真犯人は誰なのか?と、ミステリーの色が強くなっていきます。

 

しかしあれですね、取材相手が皆ぺらぺらとよくしゃべる!

話があっちへ飛び、こっちへ飛び…なのにそれが、面白くて病みつきになってしまう。

 

なんてことない一人語りのような感じで、オチがあるというわけでもないのに、どうしてこんなに面白く読めるの?と考えてみたものの…

作家さんだもの、という結論に至りました・笑。(素人には書けない。)

 

真梨幸子著「女ともだち」本扉イラスト

 

今回の登場人物、クセが強い女性たちばかり。

皆それぞれに風変わりなところがあって、あだ名が「女ジャイアン」だとか、マンションを衝動買い(!)してしまう、だとか。

身近にいたら、敬遠してしまうタイプかもしれません。

 

作中の、とある1組の「女ともだち」の関係性がドロドロ過ぎて、もう。

過去にあんなことがあって、普通に友達でいられるわけがないでしょうと思ってしまいました。

 

さて。殺人事件の真相は、最終章で明らかになります。

この結末は、想像できませんでした。

頭の中の整理がつかず、読み返して、自分なりに解釈しました。

 

読み終えたという達成感とは裏腹に、毎度のことながら最後はイヤーな感じ!笑。

これが真梨さんの作品の良さでもあり、癖になります◎

面白いので、読んでみてください。

 

最後に

住宅ローンや維持管理費等を考えずに、マンションを買ってしまう人っているんですかね。なかなか度胸があるなと思ってしまうのですが。

 

真梨さんの作品にはいつも、興味深いトピックが盛り込まれているのですが、本作品にもふんだんに散りばめられていました。

例えば、吸血鬼伝説のもとになったというハンガリーのエリザベート伯爵夫人だとか。

悪行三昧→幽閉され、亡くなったのだそう。その悪行が、えげつない。

 

あとは、巻末の参考文献にあった「東電OL殺人事件」。

なんだろう?と気になってしまい、検索してみました。

え!なんですかこの事件!

全然知りませんでした。

 

もしこの事案をご存じの方が「女ともだち」を読んだ場合、あの事件からヒントを得て書かれた作品、と思うのでしょうか。

謎が残ったままですし、かなりショッキングな事件だったようですね。