まつりパンライフ

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真梨幸子「人生相談。」のあらすじと感想

真梨幸子著「人生相談。」本扉画像

真梨幸子「人生相談。」の登場人物

真梨幸子著「人生相談。」は、2014年4月に講談社から発売された小説。

全364ページ。

 

初出は「小説現代」の2013年5月号~2014年1月号。

単行本化にあたり、加筆修正をしたとのことです。

 

今日紹介する本も、前回に引き続き真梨さんの作品。

…わたくし只今、ドはまり中です。

 

まだまだ日中は暑いのですが、朝晩は読書にちょうどいい感じですので、ページをめくる手が止まりません。

 

では、主な登場人物の紹介です。

 

岡部康 出版社の編集者。

佐野山美穂 出版社勤務。岡部康の部下。

緒方友恵 出版社勤務。美穂の同期。

武蔵野寛治 作家。

樋口義一 作家。

川口寿々子 大洋新聞社勤務。「よろず相談室」担当。

高橋雅哉 岡部康の前任。

 

小坂井剛 ホステスのカノンに片思いしている男。

榎本千代子 剛の隣人。

 

カノン キャバクラ「ハニーフラッシュ」のホステス。

アキナ 「ハニーフラッシュ」のホステス。

ナオミ 「ハニーフラッシュ」古参のホステス。

ガーネット・サクヤ 占い師

 

※あと10人くらい出てきますが、きりがないのでこの辺にしておきます。

 

真梨幸子「人生相談。」のあらすじ

あらすじ、と言いますか…

大洋新聞の人生相談コーナーに寄せられた悩みに答えながら、それを取り巻く人々を描いた長編小説です。

 

真梨幸子「人生相談。」の目次

 

目次には、9本の「お悩み」が列挙されています。

 

これら9つのお悩みに答えていく短編集かしらねえ、なんて勝手に想像していたのです。「○○さんへのお答え」なんてあるものですから。

が、そうではないことに気が付きました。

 

真梨幸子「人生相談。」の感想

「人生相談。」は、私なんぞが思いつくような、単純な構成ではありませんでした。

 

読み進めていくと、あれれ、この人ってさっきの章で出てきた人じゃん!となり、短編集ではないことがすぐに理解できます。

予想外のところでつながっていたのです。

 

登場人物が多く(私はいつも通り、相関図を描きながら読みました)、語り手が思いがけない箇所でかわるのが面白い。

そして面白いだけではなく、語り手がかわることによりうまく仕掛けられたな、という場面も。

 

やはり一筋縄ではいかない、真梨さんの作品。(尊敬!)

 

真梨幸子著「人生相談。」中扉の画像

 

ところで私は年々、人の相談事にあまり興味を示さなくなってきました。昔は興味津々だったんですけどね。

友達も家族も、みんな他人。心の内側なんて、本人にしかわからない。

口で言っている事が本心かどうかも、疑ってかかるようなところがあります。

 

しかしながら、その回答内容に興味があるのです。

 

分野外のこともあるでしょうし、「知るかよ」と思う相談内容もあるでしょう。

そんなときに回答者はどんな風に答えるのかな、と思うわけです。

 

仕事ですから、「知るかよ」なんて言えませんし、パーソナルな部分が出てしまいますよね。

そういった部分を読むのが好きなんです。

 

今となっては懐かしのラジオ、木曜たまむすびの「ハガキで悩み相談」のコーナーを思い出しました。瀧さんと赤江さんの珍回答(?)が秀逸だったんですよね。

 

真梨幸子著「人生相談。」背表紙

 

話が随分それました。

本作の展開も、随分とビックリさせられました。

 

20年前と現在が行ったり来たりする上、話が入り組んでいますので、自筆の相関図で確認しながら何度も読み返しました。

すると、ぼんやり読み過ごしていた部分にキーワードが発見できたりして、何度でも楽しめます。

 

最後に

ちょこちょこと面白いコネタが散りばめられていまして、誠に勝手ながら親近感がわきました。

 

不動産に「お得」はないのだ、という文言には納得。

まさしく、その通りでございます。

 

そしてネギは、とてもにおうのです。

たくさんもらったからと言って、お土産に持ち歩くのはやめましょう・笑。

 

思わずクスッとしてしまったのが、相談者のペンネーム。

悩みに沿ったペンネームもあるのですが、なんじゃこりゃ!とツッコミを入れてしまいたくなるものもありました。

 

私はよくラジオを聴いているのですが、いわゆる「サイレントリスナー」ってやつでして、投稿はしません。

ですが、もしも投稿するとしたら何にしようかな?なんて考えてしまいました。

難しいですよね。かといって、本名は抵抗がありますし…。