まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

真梨幸子「フシギ」のあらすじと感想

真梨幸子著「フシギ」の表紙画像

 

真梨幸子「フシギ」の登場人物

真梨幸子著「フシギ」は、2021年1月に角川書店から発売された小説。

「小説 野性時代」の掲載に加筆修正し、単行本化したとのこと。

全262ページ。

 

天気に恵まれる日々が続き、散歩が気持ちいい季節です。

そんな中、自宅で使用しているタブレット端末の画面が割れました。

初めはちょっとヒビが入った程度でしたが、あれって段々広がっていくんですね。

人間関係のようだなあと思いつつ、買い替えを決意した春の日でした。

 

さて今日は、真梨さんの新刊「フシギ」のご紹介です。

午後に手元に届いて読み始めたのですが、その日のうちに読み終えてしまいました。

面白かったー。ラストは衝撃です。

 

まずは、主な登場人物から。

 

尾上まひる ヨドバシ書店の編集者。

黒田佳子 ヨドバシ書店の編集者。

佐野 ヨドバシ書店の部長。

菊田 T社の編集者。

柿村孝俊 作家。

 

花本 A社の編集者。

里美 F社の編集者。

鈴木通雄 F社の文芸局長。

 

真梨幸子「フシギ」のあらすじ

作家である主人公「私」の、「フシギ」なお話。

 

とある出版社から仕事の依頼を受ける。

しかし、担当編集者の尾上まひるが謎の転落死。

彼女の周辺では、不審死が続いているー。

 

そして尾上の死後、彼女からのメールが度々届くようになる。

治療室で臨死体験をし、女性たちが現れたのだという。

 

一体、これはどういうことなのか?というあらすじ。

 

真梨幸子「フシギ」の感想

主人公が、かつて住んでいたという「マンションM」にまつわる章からスタート。

奇妙な偶然から、出版社の編集者にマンションMを扱った小説を書いてみないか、と提案されますがー。

 

そのマンションでの不思議な体験ときたら…!

 

やっぱり、内見はした方が良さそうです。

内見せずに物件を決めてしまうって、よくあることなのでしょうか。

わが家の場合はあちこち見て決めましたが、都内だと状況が違うのかな。不動産屋に急かされるという経験も、今のところありませんし。

 

第2章「トライアングル」では、三角形の部屋についてのあれこれが。

三角の間取りについては私も聞いたことがあったので、大変興味深い内容でした。

ただ避けられているのではなく、納得せざるを得ない理由がきちんとあったのです。

 

主人公のヒステリックな言動に驚きつつ、その様子が可笑しくてたまりません。

 

「キンソクチ」は、土地にまつわる怖い話でした。

昔から言われている「行ってはいけない」ところは、行くべきではありませんね。

そこへ行ってしまった人の末路を知ってしまうと、なおさら。

 

真梨幸子著「フシギ」背表紙画像
真梨幸子「フシギ」の本扉

 

「イキリョウ」では、カリスマ美容師に髪を切ってもらいながら聞いたエピソードが描かれていまして。す、すごい話…。

 

続く「チュウオウセン」は、編集者である花本女史と中央線に乗っているときのお話。

中央線にまつわる話題を披露し始める花本女史。そしていつのまにか、自分の身内の昔話にー。この人、強引過ぎ。

 

「ジンモウ」の章では、信じられないような内容が書かれてありました。でも好奇心に負けて検索してみたら、本当にあった話のようで…。

食事中に思い出すのは避けたいです。

最終章の「エニシ」は、帯に書かれてあるように、まさにどんでん返し!

最後に、噓でしょ!?という結末が待っていました。

 

最後に

本作で私が面白いなと思ったことのひとつは、具体的な数字が示されているという点です。

 

例えばランチの金額、賃貸物件の家賃、年収といったもの。

「ちょっとお高めのランチコース」と言われても、人によってイメージする額は違うでしょうし。

 

家賃にしても、駅名と間取り、築年数が提示されているため、安いだとか高いだとかが分かりやすいなと思いました。

一気に読んでしまいましたが、読み返してみても、楽しめる作品でした。