まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」のあらすじと感想

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」の表紙画像

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」の登場人物

伊坂幸太郎著「ホワイトラビット」は、2017年9月に新潮社から発売された長編小説。

全268ページの書き下ろし作品。

 

またしても伊坂さんの本に手がのびました。(面白いから。)

今回紹介するホワイトラビットも、良かったです。(黒澤が出てくる。)

 

では、主な登場人物の紹介です。

 

黒澤 泥棒。

中村 泥棒。

今村 泥棒。

兎田孝則 誘拐グループの一員。

兎田綿子 兎田孝則の妻。

折尾豊 コンサルタント。通称・オリオオリオ。

 

勇介 20代の男性。

夏之目 SITの隊員。課長。

春日部 SITの隊員。

大島 SITの隊員。

 

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」のあらすじ

仙台市の民家でおこった、立てこもり事件。

母親と息子を人質に立てこもった、犯人。

宮城県警の特殊部隊・SITが対応に当たることになった。

 

一方、黒澤は2人組の空き巣から、仕事を押し付けられる。

詐欺師宅での作業である。

 

一見まるで別の案件だが、どちらも「白兎事件」に関わっていたー。

 

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」の感想

それほど勘の良くない私は、後半、たまげました。

え~~!?てな具合です。

とりあえず心を落ち着けて最後まで読み、もういっぺん読み返しました。

 

この流れは、どんなに気を付けて読んだとしても想像がつかないんじゃないかなあ。

話をまとめ上げる作業、さぞや大変だったと思います。

読者の私は、とても楽しめました。

スゴイスゴイと心の中で呟きながら、何回も読み返しました。

 

兎田の新妻・綿子が誘拐されるところからの幕開け。

その後、幾度も出てくるのがオリオン座の話とレ・ミゼラブルの話

 

立てこもり犯、SITの隊員、黒澤らの視点のほか、俯瞰した視点からも描かれていて、どうもこれがレ・ミゼラブルと関係しているようなのです。(大まかなあらすじしか知らない無知ですから、断言はできません…トホホ。)

しかしこれによって、話が整理しやすい印象です。とか書いておきながら、すっかり騙されているのですが。

 

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」扉題字
伊坂幸太郎著「ホワイトラビット」の背表紙画像

 

泥棒3人が交わす、会話のテンポの良さと言ったら。

特に笑えるのは、今村の隙の多さとトンチンカンな返し!

 

忘れちゃいけないのが、SITの夏之目課長。

立てこもり事件で、SITの指揮を執っていた人物。

この物語の中で、彼の存在はとても大きかったように思います。

読後も、強く印象に残りました。家族思いの、いい父親で。

(泣いちゃう。)

 

ベテルギウス爆発の話に、どきどき。

星とか宇宙の話になると、何十億年とか想像しがたい年月が示されますね。

人の一生は「瞬き」かもしれないけれど、夏之目の娘が言うように生まれてから死ぬまでには「いろいろありました」ってなことになるのかなあ。スケールが大きすぎて訳がわからなくなります、この手の話。

今回は、夏之目の娘を思う気持ちにやられました。

 

オリオン座、立てこもり事件、レ・ミゼラブルが、こんな形でまとまるなんて!

泉中央とか八乙女とか、通学で使っていた駅名が出てきて、興奮したミーハーな私。

 

最後に

作中の人物たちが星座の話をしているのを読んでいて、学生の頃、実家の庭で星空を眺めていた頃を思い出しました。(田舎は空が広くて星がよく見える。)

あの頃はまだ、自分のことをよく分かっていなかったな。

若かったな。

 

授業をさぼって、プラネタリウムにも行ったな。

星座を眺めたり、神話のさわり部分(残酷な部分はカットされていました)のアナウンスを聞いているのが癒しの時間でした。

 

昔のことを思い出しては、なぜだかキュッとなる今日この頃。