ジェーン・スー「私がオバさんになったよ」について
ジェーン・スーさんの「私がオバさんになったよ」は、8人の方との対談集。
小説幻冬の「もういちど話したかった」という連載を収めた本で、特にテーマは設けず自由に対談したとのこと。
光浦靖子さん、山内マリコさん、中野信子さん、田中俊之さん、海野つなみさん、宇多丸さん、酒井順子さん、能町みね子さんら8人との対談の様子が文字になっています。
ジェーン・スー「私がオバさんになったよ」の感想
TBSラジオで放送されているジェーン・スーさんの番組(生活は踊る)リスナーの私。
ラジオパーソナリティとしてのスーさんも好きだけど、コラムニストとしても、面白い視点で書くな~、ととても尊敬しているお方。
タイトルの「私がオバさんになったよ」は、90年代に発売されてヒットした、あの曲のタイトルからきていますよね、きっと。
スーさんご本人はまえがきで、「本のタイトルは犬笛のようなものだ」と。
ほおほお、なるほど。
どの方との対談も良かったのですが、私が特に印象深かった章を記しておこうと思います。
宇多丸さんの章
この章、とても面白かったです。
特にTBSラジオのリスナーは、前のめりになってしまうんじゃないかなあ。
スーさんと宇多丸さんは旧知の仲で、そのことに関しては度々ラジオでもお話されています。
二人は学校こそ違いますが、同じサークルの先輩と後輩という間柄。
学生時代のスーさんや宇多丸さんの様子・ポジションについては、予想通りのことが多かったです。
(宇多丸さんは当時から話が面白かった、スーさんは最初から人を従えてた?笑。)
やっぱり二人とも、当時から大物感があったのね!と。
ラジオについて思うことも語っているので、ぜひ読んでもらいたい章です。
酒井順子さんの章
酒井さんの分析能力には参りました。
ここまで冷静に自分の性格や他者のことを理解するのって、なかなか出来ないと思うんです。
エッセイストという職業柄、自然と分析するようになったのかなと勝手に解釈しました。
自身の性格については、家庭環境が関係しているのでは…と具体的な内容もお話されていました。
能町さんの章
能町さんはコラム等も執筆されていますが、私の中ではラジオパーソナリティという印象が強いです。
ニッポン放送で、久保さんとやっていたオールナイトニッポンも聴いていましたし、今は月一でTBSラジオ・週一でNHKラジオにも出演されていますね。
現在はパートナーと恋愛なしの同居生活を送っているそう。
??
それってどんな感じなんだろう、と興味深かったんです。
スーさんも能町さんも、籍は入れずともパートナーがいて、稼ぎ手という立場。
お二人の実体験から「女性という性別だから~」との思い込みが、実はそうではない、というのが少しだけ理解できたような気がします。
外で働く方が性に合っている女性だっていますし、料理・洗濯・掃除などの家事だって、性別で向き不向きが決められることではありませんし、ね。
その他の対談も、少しだけ感想を。
光浦さんは文化放送のラジオ番組に週一でご出演。たまに聴いています。
自分のことをあまり話さない人なのかと思っていたのですが、この対談の中では語ってますね~。驚きましたし、なんか得した気分・笑。
山内さんは、スーさんのラジオのリスナーだといいます。
地方出身の山内さんと、東京生まれ・東京育ちのスーさんのやりとりは目からウロコ!私のような地方出身者からみると、東京の学校は特殊な部分が多く、地方とは違うんだな、東京やっぱりすごい!
脳科学者の中野信子さん。
頭が良すぎるのか、話が壮大なのか、私がアホなのか(多分これ!)、一回読んだだけでは内容が理解できない。
脳科学者の立場から科学についても触れているし、日本の未来、社会についてなど、中野さんが話すことをすぐに理解するスーさんがすごい。
でも、二回三回と読むうちになるほどね、となってきました。
自分の頭で考えないといけない時代だ、とのことでした。
最後に
ジェーン・スーさんのラジオ番組を聴いたことがないという方は、ぜひ聴いてみて欲しいと思います。
生活情報やお悩み相談コーナー、ゲストコーナーやリスナーからのメッセージ紹介、どれも必聴です。
私は初回から(正確には前番組から)、ほぼ毎回聴いています。
スーさんは頭の回転が速くて、おしゃべりが上手で、ユーモアもありつつ…魅力的な女性です。
ここまで推しておいて、実は一度もメールや葉書を出したことがない「サイレントリスナー」ってやつなんですけどね。