まつりパンライフ

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真梨幸子「縄紋」のあらすじと感想

真梨幸子著「縄紋」の表紙

 

真梨幸子「縄紋」の登場人物

真梨幸子著「縄紋(じょうもん)」は2020年5月に幻冬舎から発売された長編小説。

 

「小説幻冬」の連載(2018年~2020年)に加筆修正・書き下ろしを加えて発売。

全430ページ。

 

先日、真梨さんと飼い猫のマリモさん&モナミちゃんがNHK(Eテレ)の「ネコメンタリー」に出演されていました。

ネコメンタリーは作家と猫の日常が観られる貴重な番組。よく観ていたのですが、ついに最終回となってしまいました。

 

マリモさんはちょっと気難しそうな(?)猫ちゃんなのですが、そこが可愛らしくもあって楽しく拝見した次第です。ブリティッシュ・ショートヘアの女の子。

 

私もいつか猫と暮らしてみたいな。

そういえば、動いている真梨さんを観たのは初めてでした。

 

さて、今日紹介する本は真梨さんの新刊「縄紋」です。

あらすじと感想の前に、主な登場人物の紹介から。

 

興梠大介 フリーの校正者。早期退職した43歳。

一場直樹 興梠の同期→早期退職。史学科出身。

マロン 一場の飼い犬。

山田登世子 興梠・一場の同期。総務。

望月貴之 轟書房の名物編集者。入院中。

牛来亜弓 望月の後任。

 

五十部靖子 千駄木一家殺害事件の犯人。

小池千春 五十部の担当弁護士。 

 

真梨幸子「縄紋」の目次

 

縄紋 [ 真梨 幸子 ]

 

真梨幸子「縄紋」のあらすじ

黒澤セイは、「縄紋黙示録」を自費出版しようとしていた。 

 

校正を頼まれた興梠(こうろぎ)大介は、会社員時代の同期・一場直樹に手伝ってもらうことに。

一場はマロンと名付けた犬と共にホームレス同然の暮らしをしていたため、興梠宅に住み込んで作業をすることになった。

 

「縄紋黙示録」は小説なのか預言書なのか?

黒澤セイは何者?ーというあらすじです。

 

本作も、まあ人が死にます。

そして犯人は、意外すぎる人物。

過去と現在と未来が交錯します。

 

真梨幸子「縄紋」の感想

1万年以上も続いた縄文(縄紋)時代。

歴史に疎い私でも、縄文時代へ思いを馳せながら読み終えることが出来ました。

 

それもこれも、真梨さんの掘り下げ方が絶妙だからだと感じました。

気に留めたこともないような独自の視点から描かれていたりするのです。

 

教科書や参考書のように堅苦しい表現でなく、会話の中でさらっと解説してくれるので非常に分かりやすいのです。

 

中盤からの、謎の通信障害がとても不気味。(後に原因が明かされます。)

 

真梨幸子著「縄紋」の背表紙

 

つい誰かに言いたくなるような、へぇーと思うような雑学も盛り込まれていました。

 

江戸城を建てた太田道灌はスピリチュアルな人だったのでは?とか。

小田急線沿いに住むようになってから、名前しか知らなかった太田道灌に興味を持つようになりました。何度か行った「道灌祭り」のおかげでしょうね。

※2020年の道灌祭りは中止だそう。

 

あとは、スズメが恐竜の生き残り(!)だとか。 

家族に話してみたのですが、反応がいまいちでした。無念。

 

最後に

10代の頃にこのような小説に出会っていたら、もう少し歴史が好きになっていたかもしれません。本当に苦手だったのです、社会。(特に歴史。)

歴史の勉強が苦痛すぎて理系クラスを選択した私が、まさか縄文時代に興味を持つようになる日が来るとは…。

 

巻末に記された参考資料の多さには、おののきました。

フィクションとはいえ、作中に紹介されている数々の「説」を調べるだけでも大変な苦労があっただろうと想像できます。

  

舞台となった文京区を散策してみるのも面白そうです。

 

思う存分都内へ出かけることが出来るようになったら、作中に登場する「お化けだんだん」や「小石川植物園」はもちろん、千駄木の貝塚で発掘された縄文時代の人骨が展示されているという「文京ふるさと歴史館」にも行ってみたいです。