真梨幸子「ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで」の登場人物
真梨幸子著「ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで」万両百貨店外商部奇譚は2018年1月に幻冬舎から発売された小説。
「あなたがお望みのものは何でも」(ポンツーン・小説幻冬に掲載)を改題し、加筆修正したとのこと。
全316ページ。
百貨店の外商部と顧客のあれこれを描いた、この作品。
面白いに違いないと思って手に取ったのですが、やっぱり面白かった!
最近はなかなか行けていませんが、大好きな百貨店。
行くだけでわくわくするのが、百貨店。
一般に暮らす人たちは接点がないであろう外商部。
そこで働く女性が、この物語の主人公。
途中まで読んでみて、毒は少なめかな?と思ったのですが、その先の展開が…!期待通り!
真梨さんの作品は、やっぱりこうでなくちゃね。
では、主な登場人物の紹介です。
大塚佐恵子 万両百貨店の外商。売り上げトップ。
森本歌穂 万両百貨店の外商。29歳。
根津剛平 万両百貨店の外商。31歳。
小日向淑子 元・外商。
和久田勝次 ワクワクマネキン紹介所の所長。
越野由佳子 万両百貨店・食品売り場の売り子。
海野もくず 熱海乙女歌劇団の娘役。
その他、各話に個性的な面々が登場しますが、全て挙げるとものすごい人数になってしまうので共通して登場する人を紹介しました。
真梨幸子「ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで」のあらすじ
万両百貨店の外商・大塚佐恵子は、顧客のためにどんな仕事でも引き受ける。
彼女の売り上げは、外商部のトップ。
売れっ子タレント、資産家、小説家などが顧客として登場。
彼らの要望とはー?
真梨幸子「ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで」の感想
イントロダクションから始まるこの物語。
目が離せない書き出しです。
そして読み進めるも、おやおや、今回は人が死なない?なーんて思っていたら、やっぱりそんな訳はなくて。
お得意様とはいえ、他人がここまでしますか!?
いやいや、アウトでしょう…。
今回は、ちょっと笑ってしまうような箇所が多かったように思います。
和久田所長のキャラクター設定やら、海野もくずのネーミングやら、あっという間に恋に落ちてしまう描写やら。
後半になっていくにつれ、面白さ(ドロドロ具合)が増していくような気がしました。
最終話の「コドク」はさすが。
あえてカタカナ表記にするアイディアには、やられました。
そういえば、梅屋百貨店の「薬王寺涼子」がチラッと出てきました。
以前紹介した「カウントダウン」に出てきた人物です。
万両百貨店とはライバル関係にあるそう。
外商の仕事って、営業職なんですね。
うまくコミュニケーションをとり、信頼関係を築いていくようですが、さすがにこの話に出てくるような奇抜な要望はないだろうなあ。(と思いたい。)
最後に
百貨店の「インゴ」は、なるほどね、と思いました。
学生時代にアルバイトをしていた飲食店でも「1番」とかの独特の言いまわし(?)がありました。「お手洗い」とは言いにくいですからね。
インゴとは違うのでしょうけど、売り子さんのことをマネキンと呼ぶのも知りませんでした。
私のような庶民は外商で買い物をすることはないだろうと思いますが、世の中にはこうやって買い物をしている富豪がいるんですから、おったまげます。
食品売場の催事コーナーが好きなので、催事のスケジュールをチェックして足を運ぶこともしばしば。
故郷の物産展をやっていると、懐かしさのあまり、ついのぞいてしまいます。