東野圭吾「クスノキの番人」の登場人物
東野圭吾著「クスノキの番人」は2020年3月に実業之日本社から発売された長編小説。
全451ページ。書き下ろし作品です。
ネタバレしない程度に言いますと、「クスノキの番人」は殺人がおきたり人が死んだりするわけではありません。
よって犯人は存在しないわけなのですが、備忘録として、あらすじと感想をまとめておきます。
では、主な登場人物の紹介です。
直井玲斗 主人公の青年。
柳澤千舟 ヤナッツ・コーポレーションの顧問。玲斗の叔母。
直井美千恵 玲斗の母。
直井富美 玲斗の祖母。78歳。
直井宗一 玲斗の祖父。
佐治寿明 祈念に来る男性。
佐治優美 寿明の娘。大学生。
佐治喜久夫 寿明の兄。
柳澤将和 ヤナッツ・コーポレーションの代表取締役。
柳澤勝重 ヤナッツ・コーポレーションの専務。
大場壮貴 和菓子メーカー「たくみや本舗」会長の家族。
福田守男 たくみや本舗の常務。
東野圭吾「クスノキの番人」のあらすじ
逮捕された直井玲斗のもとに、弁護士がやってきた。
(住居侵入、器物破損、窃盗未遂の罪。)
弁護士は、依頼人の指示に従うならば力になると言う。
釈放された玲斗は、依頼人である千舟の指示で月郷(つきさと)神社の「クスノキの番人」を任されることになった。
神社を訪れてクスノキに「祈念」する者たちは、一体何を祈っているのかー?というあらすじ。
東野圭吾「クスノキの番人」の感想
ほわーんとした気分で読み終えた、というのが正直な感想です。
主人公の玲斗自身がクスノキの祈念については謎のまま、ストーリーが展開していきます。そして、読者もまた謎を感じたまま読み進めることになります。
神社を訪れる人間たちと玲斗との会話からヒントを得ることになり、少しずつ少しずつ、謎が明らかになっていきます。
せっかちな私は、もどかしい気持ちが溢れてきまして…何度も気持ちが先走りました。もっとゆったりとした気持ちでストーリーを楽しめれば良かった、と少し反省…。
恵まれた環境の中で育ってきたとは言えない玲斗が、徐々に自分の居場所や生き方を見つけていく過程は面白かったです。
千舟の取る、少し不自然な「ある行動」。
ささいな行動ではあったのですが、繰り返し出てくるので、これは何かあるのだろうと思いました。
そして最後にはその行動の謎も明かされます。というか、玲斗が気付くのです。
驚きましたが、確かに、言われてみれば納得ではありますね。
ファンタジーのような、不思議な物語でした。
ミステリー以外の東野さんの作品を読むのは、いつ以来だろう?
事件が起きて(人が殺されて)犯人さがしが始まるというストーリー展開かと思いきや、今回の作風は大分違う印象です。
結末にたどり着くまではいささかモヤっとした気分もありましたが、改めて読み返してみると優しい気持ちになれる小説だなと感じました。
まとめ
東野圭吾さんの作品にハマったのは、もう随分前のことになります。
あれは確か、学生時代だったような…。
実家から通学していたとはいえ、それほど金銭的に余裕があるわけではなかったので、随分と図書館のお世話になりました。
片っ端から彼の作品を読み漁ったのが、つい先日のことのように思い返されます。(って、そんなわけないんですけどねー。)
定期的に読みたくなる東野作品。
なんといっても、読みやすい。
読書をするときは、メモ用紙&電子辞書をスタンバイするのですが、今回は電子辞書の出番はほとんどありませんでした。
続きが気になったというのもありますが、登場人物が多いわけでもなく、メモもほとんど取りませんでした。