まつりパンライフ

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東野圭吾「透明な螺旋」のあらすじと感想

東野圭吾「透明な螺旋」の表紙

東野圭吾「透明な螺旋」の登場人物

東野圭吾著「透明な螺旋」は、2021年9月に文芸春秋から発売されたミステリー小説。

書き下ろし作品です。全301ページ。

大好きなガリレオシリーズの最新刊です。

 

では、主な登場人物の紹介から。

 

湯川学 帝都大学の教授。物理学者。

草薙 警視庁捜査一課の刑事。

内海薫 警視庁捜査一課の刑事。

 

島内園香 生花店勤務。

島内千鶴子 園香の母。

上辻亮太 園香の恋人。

岡谷真紀 美容師。園香の友人。

松永奈江 絵本作家。

根岸秀美 クラブの経営者・ママ。

 

東野圭吾「透明な螺旋」のあらすじ

母とふたりで暮らし、生花店で働いていた島内園香。

その母を突然亡くす。

ほどなく、勤務先で知り合った上辻と同居をはじめる。

 

しかし上辻は、南房総沖で銃殺された遺体となって発見される。

警察は園香に連絡を取ろうとするも、彼女も行方がわからなくなっていたー。

 

東野圭吾「透明な螺旋」の感想

東野圭吾さんのミステリー作品って、読み出したら止まらない面白さがあります。

ガリレオシリーズ、ファンも多いことと思います。

物理学者・湯川学が活躍するこのシリーズ、好きなんです。

 

事件を担当する捜査一課の刑事・草薙が、湯川の大学の同級生という設定も良いのです◎

自分のことを語らない湯川ですが、草薙がその過去を吐露し、読者を楽しませてくれます。

 

さて。本作での湯川の最初の登場は、横須賀の両親宅に滞在しているというシーン。

天才物理学者の両親、気になりませんか?

育ててくれた人の影響って、人格の形成にかかわると思うんです。彼の父親も少し登場しますが、あ~なるほど、と納得した次第です。

 

湯川を訪ねることになったのには、訳がありました。

草薙らが園香の足取りを追うなか、彼女と親しくしている女性と湯川に、わずかな接点があったのです。

 

東野圭吾著「透明な螺旋」の背表紙画像

 

上辻の殺害について、園香にはアリバイがあります。

にもかかわらず、なぜ身を隠すのだろう?

 

この点においても、湯川の着眼点が鋭い。

彼なりの仮説を立てているのでしょうが、さっぱり推察できません。

 

そしてさらに、湯川の取った行動が奇妙なのです。

謎多き人物ですが、彼の意外な過去も本作で明らかになります。

 

湯川も少なからず関係していた、逃亡劇。

クールな湯川だけれど、ちゃんと、ちゃんと優しいのです。

 

ミステリー小説を読むとき、最初に犯人を知ってから読み始めるタイプなのですが、今回はそれをせずに読みました。それが一般的なのでしょうけれど。

そして、犯人が判明したあたりで時間が来てしまい「続きは明日読もう」と寝てしまったのですが…。

 

翌朝、続きを読んでびっくり。「ドラマ」が待っていたのです。

むしろ、ここからがいいところ。ちょっと泣きました。

悲しい話ではあるのですが、大切に思う人のために湧き上がるエネルギーの強さを感じることが出来ました。

 

罪を犯すことはもちろん悪ではあるのですが、じゃあ他にどんな選択があったのだろうかと考えてしまいました。

 

最後に

ガリレオシリーズを初めて読んだのは、学生の頃だったように記憶しています。

まさか映像化される日が来るなんて、あの頃は思いもしませんでした。

物語に理系の事象が盛り込まれているのがなんだか珍しくて、夢中になって読んでいたなあ。

 

ドラマも聴ていたため、「湯川」とか「草薙」の文字を見ると俳優さんたちの顔が浮かびます。

 

こういうのが読みたかった!というくらい面白かったです。

読みやすいので、一気に読めると思います。