東野圭吾「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」の登場人物
東野圭吾著「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」は、2020年11月に光文社から発売されたミステリー小説。
全439ページの、書き下ろし作品。
これぞ東野さんのミステリー!といった感じで、とても面白かった。
おすすめの一冊。そして出来れば、シリーズ化してほしいです。
では、主な登場人物の紹介です。
神尾真世 不動産会社勤務。30歳。
神尾英一 真世の父親。元中学教師。
神尾武史 真世の叔父。
中條健太 真世の婚約者。
※以下、真世の中学の同級生
池永桃子 主婦。旧姓・本間。
原口浩平 酒屋。
釘宮克樹 漫画家。
津久見直也 白血病で死亡。
九重梨々香 真世の同級生。広告代理店勤務。
柏木広大 「柏木建設」の副社長。
杉下快斗 IT企業の経営者。
牧原悟 銀行員。
池永良輔 桃子の夫。英一の教え子。
森脇敦美 英一の教え子。
柿谷 刑事課の係長。
木暮大介 警部。
東野圭吾「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」のあらすじ
地元を離れて都内で暮らす真世は、結婚式の準備に追われていた。
そんな中、中学の同窓会への誘いが来るが、どうすべきか迷っていた。
というのも、父親が自分たちの国語の先生だったからだ。
その父・英一が、自宅で殺害されたとの連絡を受ける。
英一の年の離れた弟である武史と真世は、事件の真相に迫る。
東野圭吾「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」の感想
あらすじにも書きましたが、真世の中学時代は、自分の父親が「先生」だったのです。
やりづらいだろうなあ、お互い。
同級生たちも、先生の娘である真世には気を遣うだろうし。
その父が、突然何者かに殺されてしまいます。
卒業した教え子らと交流していたことからも分かるように、嫌な先生ではなかったのです。むしろ、人格者といっていいように思います。
なぜ?そして、誰が犯人?
真世の前に突如現れた、叔父の武史。
この人、最高にいいキャラクターでした。
次々と出てくる、秘密の道具。
押しの強さも相当ですが、よくも思いつくなあ、という法螺話が可笑しくてたまりませんでした。
関わりたくないタイプですが、遠目から見る分には愉快。
白状してしまうと…。
英一が殺された時点でどうしても犯人が気になってしまったので、先に結末を読んでしまいました。昔から度々こういう読み方をしているのですが、奇異の目で見られることが多いんですよね。
さすがに犯人の名前を明かすことはしませんが、へぇ~という感じでした。
しかしですね、動機がさっぱり分からないのです。(そりゃそうだろう!)
とりあえず犯人の名前が分かってスッキリしたため、どういう流れで犯行に至ったのかを読み進めていくことにしたのですが、もう、一気に読みました。
語り手は真世なのですが、主人公は「ブラック・ショーマン」でしょうね。
犯人にたどり着いた彼の推理、お見事でした。
読み終えてみれば、タイトルが実にしっくりきました。
犯人の動機は私にはまったく理解できませんでした。被害者の未来を奪っただけでなく、真世たち遺族に深い悲しみを与えてしまったのですから。
最後に
コロナ禍の状況で、書かれたと思われます。
舞台となったのは、寂れた観光地です。
再び盛り上げようとするも、コロナで頓挫。
葬儀も、コロナの感染拡大防止を配慮したやり方でした。
周囲に「この本、面白かった」と興奮気味に伝えるも、読書には興味を示してくれず。無理強いするものでもないのですが、実にもったいない。読んでほしいな。