まつりパンライフ

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三浦しをん「ゆびさきに魔法」のあらすじと感想

三浦しをん「ゆびさきに魔法」の登場人物

紹介が遅くなりました。

去年読んだ三浦さんの小説の記事、まだまとめてなかった!と思い出して、慌てて更新している次第です。

 

今回紹介する本は、書店でひときわ輝いていた一冊。

ぜひ、この本の装丁を見ていただきたいです。

ネイリストの女性が主人公なので、様々なデザインが施されたネイルや施術に使う道具の写真なのです。きらっきらで、心が躍ります。

 

三浦しをん著「ゆびさきに魔法」は、2024年11月に文藝春秋から発売された小説。初出は月刊「文藝春秋」2021年8月号~2023年7月号。

全364ページ。

 

主な登場人物の紹介です。

月島美佐 主人公。ネイルサロン「月と星」の経営者。

大沢星絵 「月と星」の従業員。

星野江利 美佐の友人・ネイリスト。

下村百合奈 美佐の友人・ネイリスト。

 

松永 居酒屋「あと一杯」の大将。

篠原 「月と星」の常連客。

伊山 保育士。

照子 八百吉のおかみさん。

村瀬成之 俳優。

後藤 村瀬のマネージャー。

 

三浦しをん「ゆびさきに魔法」のあらすじ

築55年の二階建て長屋で暮らしている、30代半ばのネイリスト・月島美佐。

都内の私鉄沿線・富士見商店街にあるその長屋は、一階が店舗、二階は住居。

主人公はネイルサロン「月と星」を一人で経営している。

 

常連客はそれなりについているし、安定した売り上げも見込めていたが、もう一人ネイリストを雇いたいと考えていた。見つからない時期が長く続いたが、ようやく採用が決まった。

隣の居酒屋の常連客・大沢星絵だ。

技術面で、もう少し修業が必要…という彼女と、2人体制での経営が始まったー。

 

三浦しをん「ゆびさきに魔法」の感想

ネイリストは、「芸術家」と言ってもいいような職業だと感じました。

ネイルサロンは足を踏み入れたことがない領域なので、知識が全くない状態で読み進めました。

 

この職業は技術はもちろんのこと、感性やアイディア、そして接客する態度まで求められるようです。様々な事情を抱えてネイルサロンへやって来る、お客さんの幅の広さ…!

それからもちろん、経営のノウハウも必要です。

目先のことだけにとらわれず、将来をも視野に入れた戦略も大切。

後進の育成も、大事な業務だったりするようです。

 

店舗の立地を商店街に選んだ時点で、周囲の人たちとの連携は必須なんだなあということがよく分かりました。人脈がものをいう世界なんですね。

商業施設の中にあるサロンと個人経営のサロンの違い、みたいなものもおぼろげながらイメージできました。

 

主人公側からみている経営者の視点と、従業員として勤務する星絵ちゃんの、人懐こくて距離感をぎゅいーんと縮める術の対比が面白かった。

星絵ちゃん、かわいいんですよ◎

 

作中に出てくるネイリスト皆が誇り、みたいなものを強く持っているんだというのが伝わってきました。それぞれに、強味があって。

本当にネイルが「好き」なんだなあ、と。

 

ネイルに対して偏見がある人物も出てきますが、おおむね常識的な生活を送っている方々のお話なので、心がざわつくことなく読了。

 

 

 

まとめ

普段はあまり、よそ様の手先をみる機会はありませんが、電車に乗ったときやお店で接客してもらうとき、爪ってつい見てしまいます。

作中にも登場していたのですが、昔に比べて、男性もきれいに爪を整えている方が増えたなあという印象です。

 

そういえば私もかつて事務職をしていた頃、ネイルを楽しんでいたなあ!と、懐かしくなりました。

家を出るときに全て処分してしまい、ネイルとは縁遠い生活になってしまったのがちょっと寂しい気もします。爪が整っていると、それだけで気分が上がるんですよね。