まつりパンライフ

家で焼いたパンと読んだ本の備忘録、愛用のキッチングッズの紹介をしています

オーバーナイト(長時間低温発酵)のパンの作り方◎過発酵、膨らまない場合の対策

オーバーナイト製法で焼いたゴマとチーズのパン

オーバーナイトで手作りパン

オーバーナイト、もしくは長時間低温(冷蔵)発酵という方法をご存知ですか?

 

パン生地の一次発酵の工程において、一晩低温で長時間発酵させることをオーバーナイトといいます。低温の環境を作るため、冷蔵庫などを使用します。

 

オーバーナイトのやり方は、前日の夕方から夜にパン生地を仕込んで低温で発酵させておき、翌日にその続きの作業を行うという流れです。

 

発酵時間の目安は何時間くらい?」と聞かれることがあるのですが、8時間から12時間くらいと答えています。

 

焼成前のパン生地

 

低温で管理することによって焼き上がりの時間をある程度調整できますから、ちょいと早起きすれば、焼き立てパンを午前中に楽しむことも可能です。

 

でも、一晩もパン生地を放置したら、過発酵になるのでは?と心配になりますよね。

冷蔵庫で生地の温度管理することと、酵母(ドライイースト)の量がポイントです。

 

逆に、生地が思うように膨らまない、発酵していない、という場合もあります。

この原因や対処法についても考えてみようと思います。

 

今日の記事の内容は、「パン作りは発酵に時間がかかる、もっと手軽に手作りパンを楽しみたい」という方に試して欲しい「オーバーナイト(長時間低温発酵)」についてです。

 

難しいやり方ではありませんから、最後までお付き合いください。

 

冷蔵庫で長時間低温発酵させるメリット

パンの生地を低温で長時間発酵させるメリットがいくつかあります。

小麦粉のうまみがしっかりと引き出されます

 

パン生地を長時間低温発酵させた様子

 

こちらの生地は、先日パンを焼いたときに冷蔵庫で長時間低温発酵させたものです。

(一次発酵後の様子。)

 

具体的には8~12時間ほど、冷蔵庫で長時間低温発酵させています。

 

イーストの量を抑えた作り方になりますので、「パンを手作りするとイーストの臭いが気になる」という方にもおすすめのやり方です。

イースト独特のにおいが気にならなくなるというメリットも挙げられます。

 

夏場など、室温が高い時期はパン生地の発酵が早く進むため、時間に追われてあわてて焼く、ということもしばしば。

ですが、生地を低温で管理すれば自分のペースでパンを焼き上げることができます

 

以下、丸パンのレシピを例に具体的な作り方を説明したいと思います。

 

丸パンのレシピ◎オーバーナイト編

オーバーナイトの場合は、長時間発酵させるためにドライイースト(酵母)の量をぐっと減らして作ります。

 

小麦粉100gに対し、0.2~0.3gのドライイースト(酵母)を使用しています。

 

原材料

丸パン6個分の材料です。

 

強力粉 200g

きび糖 6g

塩 2g

バター 8g

水 130g~

イースト(酵母) 0.6g

 

※以下の画像は、ごまの丸パンを作ったときのものです。

上記の原材料にごまを20g加えて作りました。

 

作り方

ボウルに強力粉、きび糖、塩をいれて軽く混ぜたらドライイーストを振り入れます。

 

バターを加えたパン生地

 

35℃にあたためた水を加えてひとまとめにしたら、室温に戻したバターを加えて10分こねます。

 

捏ねあがりのパン生地

 

生地をこね終え、ボウルをラップで覆っている画像です。

 

ここから一次発酵させていくのですが、1時間程度室温で発酵させてから冷蔵庫へ入れます。

※捏ねあがった生地をすぐに冷蔵庫へ入れても発酵が進まず、膨らみません。

 

冷蔵庫で発酵させたパン生地

 

こちらが、12時間冷蔵庫で低温発酵させたパン生地の様子です。

冷蔵庫の中で、パン生地はゆっくりゆっくり発酵していきます。

 

(膨らみが足りないようでしたら、室温においてさらに発酵させます。)

 

生地が冷えた状態なので、室温に戻します。

30分~1時間ほど室温に置き、6分割してベンチタイムをとり、丸め直します。

 

二次発酵後のごまの丸パン

 

こちらは、二次発酵させているところ。

200℃に予熱したオーブンで15~20分焼けば完成です。

 

手ごねで焼いたごまとチーズの丸パン

 

ころんとした形の丸パンが焼きあがりました。

 

オーバーナイト製法のゴマとチーズのパン

 

このようにチーズを入れて焼いても◎

 

生地の過発酵・膨らまない場合の対策

低温とはいえ、生地を長時間発酵させるわけですので、通常のパンの作り方で発酵させたのでは過発酵になってしまいます。

 

過発酵を防ぐためには、ドライイーストの量をきっちり計量することと、冷蔵庫に入れるタイミングをつかむことが大事です。

 

もしも生地が過発酵の状態になってしまったら…少しくらいは平気ですが、あまりにもペシャンコの場合はピザ生地にしてしまいましょう。

 

www.matsuripan.com

 

ピザにあうトッピングのことなどをまとめてありますので、ご参考までに。

 

過発酵とは逆に、パン生地が膨らまないという場合もあります。

 

これは、冷蔵庫に入れるタイミングが早かったり、生地の捏ね上げ温度が低い場合におこる現象です。

 

対策としては、①室温での発酵時間を長め(2~3時間)にしてみる。

②仕込みの水の温度をきっちり35℃にする。

 

膨らんでいない発酵不足の生地は、冷蔵庫から出して温かいところに置けば膨らみます。

発酵するまで、気長に待ちましょう。

 

正確にドライイーストの量をはかるのに便利なのがキッチンスケール。

「はかり」ですね。

 

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クッキングスケールは、0.1g単位の計量に便利なアイテムです。

 

発酵は野菜室か冷蔵室か

冷蔵庫で発酵させるって野菜室?冷蔵室?と疑問が生じます。

 

私は室温が低い冬場は、野菜室で発酵させることが多いです。

夏場は野菜室だと温度が高いようなので冷蔵室で発酵させることが多いです。

 

野菜室と冷蔵室の温度差は2~3℃の違い(メーカーにもよりますが)とのことなので、まあ正直に言いますと、スペースがある方に入れることが多いです・笑。

 

野菜室は湿度が保たれているので、なんとなく安心感があります。

逆に、冷蔵室は乾燥していますよね。

 

まとめ

オーバーナイトでパンを焼くメリットは、パン生地の状態がコントロールできるためにあわてて焼かなくてOK!イースト臭がおさえられる!小麦の味わいが引き出される!という点です。

 

やり方は難しくありませんが、慣れるまでは発酵の見極めを慎重に。

回数を重ねることで、段々コツがつかめてきます。

 

私の場合は前日の夕飯時にパン生地を捏ね、20時頃に生地を冷蔵庫へ入れます。

 

翌朝4時頃に発酵の具合を確認するのですが、2~3倍ほどの大きさにちょうどよく発酵していると、ガッツポーズをしてしまうほど嬉しい(単純な奴!笑)。