夏に手作りパンを焼く
夏でも冬でも季節を問わず、自分で手作りしたパンを焼いて食べたいというのが私の本音です。
そういう考えのパン好きの方って、結構いると思うのですがどうでしょう?
夏はパンよりも麺類が食べたいという人もいらっしゃるようですが、私は麺よりも断然パン派です。
(たまには麺類もいいですけどね、と小声で言ってみたりして。)
とうもろこしや枝豆、ナスやトマトなどの夏野菜を使った総菜パンも美味しいし、塩もみしたきゅうり&バターだけのシンプルなサンドイッチも好きです。
これは、昔テラスで育てていた米ナス(くろわし)なのですが、夏野菜ってピザのトッピングに向いているものが多いなと思います。
ズッキーニも、フォカッチャなどのパンのトッピングによくあいますよね。
しかし、夏は室内の温度までも高くなるため生地の扱いが難しくなるのも事実。
湿度があるので生地そのものがべたつきますし、あっという間に発酵が進みます。
私自身はせっかちなため「生地の発酵が早いと、すぐに焼きあがるから助かる~!」と嬉しい反面、ちょっと買い物に行ってる隙に「過発酵になってる!」なんてこともあったり…。
エアコンを使用していてもまあまあ暑いし、夏のパン作りは難しいものです。
私のように手ごね派の方は、捏ねるのにも苦労しているんじゃないかと思います。
今日は、夏の手作りパンについて思うこと・工夫していることについての記事をまとめてみたいと思います。
先日書いた、国産小麦E65について紹介した記事が半端な感じになってしまったので、その続きも書きます。
生地の過発酵を防ぐ冷蔵発酵のすすめ
パン生地の発酵(一次発酵)については、25~35度の間で行うというのが一般的に紹介されている方法かと思います。
この温度帯で発酵させると、早くパンが焼きあがります。
一年中パンを焼きますが、個人的に思うのは室温が25度を超える頃、発酵が進むのが早くなってくるということ。
そんな中でのパン作りにおすすめの発酵方法が「冷蔵発酵」。
私の住むあたりは冬でも暖かいので冷蔵発酵を行うことがありますが、夏は過発酵の防止になるので特におすすめの方法です◎
過発酵とは?
過発酵とは、読んで字のごとく「発酵させ過ぎ」た生地の状態を指します。
パンを焼く工程において、生地を発酵させる時間が必要だというのはご存知かと思います。
時間の経過とともにパン生地が発酵していくわけなのですが、その発酵が進みすぎてしまうと過発酵となるのです。
適切に発酵させたパン生地は弾力がある状態なのに対し、過発酵させたパン生地は弾力がなく、しぼんだような状態になります。
焼いても、パサパサで美味しくないパンになってしまいます。
過発酵の原因
では、過発酵の原因は?
原因はずばり、発酵時間のとりすぎです。
パン生地の発酵中は他の用事をなさる方が多いと思います。
発酵時間は短く見積もっても1~2時間はかかりますから、つきっきりで生地の状態を確認するのは難しいですよね。
そのため、適度に生地が発酵した「今、次の工程へ」という状態を見逃してしまうんですね。
過発酵を防ぐために
過発酵の生地は元通りには戻せません。
防ぐためにはどうすればいいのか?
先ほど述べた冷蔵発酵が個人的には一番取り入れやすい方法かなと思いますが、それ以外で過発酵防止のためにできることを紹介したいと思います。
①材料の小麦粉を冷蔵庫で冷やす。
②仕込み水の温度を下げる。
これらは、捏ね上げ温度を必要以上に高くしないようにする工夫です。
発酵時間に気を配るのはもちろんですが、酵母(ドライイースト)の量を減らすのも有効な方法だと思います。
これは普段使っている白神こだま酵母です。
冬は粉100gに対して1g弱を使用していますが、夏はその半分の0.5g程度でも十分に発酵します。
また、夏は生地のべたつき防止のため水分量を2%を目安に減らしています。
ハードブレッド専用粉E65で焼く冷蔵発酵(オーバーナイト)のパン
国産のハードブレッド専用粉・E65について書いた、この記事の続きと思って読んでもらえればと思います。
夏は手ごねでの作業がハードなため、基本的には捏ねたくないのでスプーンでぐるぐるっと生地を混ぜていきます。
ヘラを使用しても◎
冷蔵発酵(オーバーナイト)のスケジュールとしては、夕方頃に生地を仕込みまして寝る前に冷蔵庫に入れます。
翌朝、冷蔵庫から生地を取り出して様子を見ながら涼しいうちに焼き上げてしまう、というやり方が効率的かなと思います。
こちらの画像は、パンの材料をボウルに入れ→水を加えてスプーンで20回ほど混ぜ→休ませる、までの工程です。
休ませた時間を忘れないように、ラップの上に時刻を記入しておくといいと思います。
こちらは、パンチを入れて生地をきたえ→一次発酵を途中まで行い→冷蔵発酵させる直前の生地の画像です。
室温で7~8割くらい発酵させ、一次発酵の続きは冷蔵庫内で行います。
この日は2時間ほど室温に置き、20時に冷蔵発酵を開始しました。
これが、一晩(9時間)冷蔵発酵させたパン生地です。
生地が冷えている状態なので、室温に1時間ほど置いて常温に戻します。
使用する型(バット)に、予めクッキングシートを敷いておき→気泡を潰さないように、ドレッジを使ってそっと型に流し込み、二時発酵を行います。
もったいないので、一次発酵に使用したラップを再利用しています・笑。
オリーブオイルを適量まわしかけ、指で穴を開けたら220度に予熱したオーブンで20~25分焼成します。
焼き上がり→冷ましてカットしたパンの断面の写真です。
混ぜるだけのパンの詳しい作り方・レシピについてはこのブログで何度も書いているので、過去記事を「こねないパン」で検索・参照してもらえればと思います。
E65は「準強力粉」であるため、表面のさっくり感が強く出てきます。
パンの歯ごたえが、強力粉とは明らかに違うのです。
それでいてパンの中身はもちもち!なのです。面白い発見ですよね。
最後に
今回は私なりの「夏のパン作り」について思うところをまとめてみました。
まだまだ暑い日が続く予報が出ていますので、無理のないようにお過ごし下さい。
近所の図書館で好きな小説を読んでいるときが、一番心穏やかに過ごせる時間だったりします。
しかし、そんな夢みたいなことばかり言ってても仕方ありませんから秋の訪れを気長に待ちたいと思います。
冷蔵発酵(オーバーナイト)のメリット等については、以下の記事でもまとめていますので良かったら読んでみて下さい。